第54回 全日本女子剣道選手権大会

54th All Japan Women's KENDO Championship

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お知らせ

大会のみどころ−混戦を制するのは−

昨年は田山秋恵(大阪)が松本弥月(当時、福岡)に面を2本連取し、本大会出場2回目にして初優勝を勝ち取った。
この両者には —本年5月の第16回世界剣道選手権大会(16WKC)の個人戦に出場、田山は準々決勝で元保警<ウォンポギョン>(韓国)に敗れるが、その元を松本が決勝でたたきWKC初優勝を成す— という後日談がある。

本大会にはこの両者を含め16WKC選手10名中6名が出場する。

また今回、歴代選手権者が6名出場するが、特筆すべきは第21回大会(昭和57年)に鹿児島から高校生(17歳)二段で初優勝を遂げて以来、黄金の一時代を築いた寺地里美(旧姓、福之上・東京)教士七段が15年ぶり16回目の出場で返り咲く。
そしてその福之上を彷彿させる高校剣士、後藤(晴)・古川・五十嵐(紗)の3名が初々しくデビューを飾る。

さらには本大会3連覇を含む過去5回頂点を極めた村山千夏(埼玉)が最多22回目出場で6度目の優勝に —また結婚5年目、2人の乳幼児をかかえ今回11回目の出場を果たした小津野祐佳(旧姓、坪田・岡山)は3度目の優勝に— それぞれ、今一度照準を合わす。

第1ブロックは、トーナメント表1番の鷹見を最有力と見る。技が多彩なオールラウンドプレイヤーで突き技に妙味をもつ鷹見は、今16WKC個人では3位にとどまるが、14WKC個人優勝・15WKC団体優勝の実績を持つ。
その鷹見を阻むのは竹村か。本年の全日本都道府県女子大会で岐阜優勝の原動力となった竹村であるが、その勢いを本大会にどこまで持ち込むことができるか。
その次には本年の教職員大会で個人優勝を果たした藤本をあげたい。激戦区の京都から、初出場ながらも実力十分と見る。
下の段では16WKC団体優勝のメンバー吉田と本大会常連の後藤(今)が有力視される。
1回戦を見渡せば、高校生・後藤(晴)と大学生・大西の一戦が面白い。また、この勝者が並み居る有力選手といかに渡り合うかに興味がそそられる。

第2ブロックは、ベテラン勢がうち揃う。本大会には七段の選手が3名出場するが、その寺地・福田・村山のすべてがここに集まる。また、歴代選手権者6名のうち田山(第53回)・寺地(第21・23回)・村山(第44・45・46・48・50回)・小津野(第41・47回)の4名が所狭しと踵を接する。
注目すべきは図末-田山の取組である。図末は本年の全日本学生選手権2位と上り調子で、田山が連覇を狙うならば、まずこの第一関門突破がカギ。
そして剣道ならでは、最年長・51歳の寺地が20代や10代の若手を相手にどのような立ち回りを展開するかが一番の見もの。
また、その下に位置する福田にも注目したい。福田は、同都道府県女子では主軸として長崎を2位にまで引き上げ、決勝の岐阜戦ではもう一歩へと詰め寄る活躍を見せる。本大会では今まで3位を最高位とするが、教士となり新たな境地がひらいかれたか、2年ぶり17回目の出場にして、何かが起こりそうな期待感が高まる。
さらにブロック下では、前述した村山・小津野が2回戦で当たる配置となっている。往年の好敵手、相譲らずの一戦が楽しみである。
これらのベテラン勢に刃向かう急先鋒としては、このところ成長著しい遠山の名前があげられる。どのような局面からも意のままに技を繰り出すことができる遠山、この若き手法がどこまで選手権の舞台で通じるか。

第3ブロック上の段は、まず第49回大会覇者の正代(旧姓、石突)を有望と見る。正代、得意の引き技がどこまで冴えを見せるか。その下には昨年の全国警察選手権者の大石と教職員で名を成しWKC団体優勝2回・個人3位の実績を有する下川がおり、虎視眈々と上位進出をうかがう。
下の段では、全日本学生大会団体優勝と個人優勝2回の津田、そして本大会優勝候補の筆頭格として松本が厳然と配されている。松本は、本年から神奈川県警に奉職、抜群の集中力と安定感でもって16WKC優勝の勢いと昨年決勝で田山に敗れた悔しさをバネに初優勝に挑む。

第4ブロック上の段は、16WKC団体で活躍、面と突きを得意とする渡邊と、本大会第51・52回連覇、また14・15・16WKCと3つの団体優勝に大きく貢献した山本との対戦は必至。前に出る気迫が鋭い渡邊とここ一番での勝負強さに長ける山本との一戦は白眉。この両者の間に伏兵は現れるか否か。
下の段では、変幻自在の剣風で場をわかすベテラン興梠が中心的存在である。その対抗としては伸びのある面技が持ち味の迫があげられる、が、また、見逃せない名手として田中がいる。

などなど、今大会は話題性が豊富で、また近年にない混戦が予想される。はたしてどの剣士の頭上に栄冠が輝くのか。ぜひ観戦されたし。

剣窓編集委員 真砂 威

前年度優勝:田山秋恵選手

選手の氏名等は一部常用漢字に変更しております。
写真は、前年度優勝の田山秋恵選手。

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