63rd All Japan KENDO Championship
昨年は学生43年ぶり、しかも最年少・21歳で栄冠に輝いた竹ノ内、本年は学生として初の連覇にかける。
いよいよ新人の台頭めざましく、本大会では学生3名を含む平成生まれの剣士18名が檜舞台に立つ。一方、最多12回出場の米屋を筆頭に、内村・権瓶・石井・内田・曽根・小村らベテラン勢が踏ん張りを利かせ、観戦の興味はいや増す。
有力選手を挙げると、
第1ブロック は、懐が深くストレートの面技を得意とし、特に出ばなの面は脅威のスピードをもつ西村(龍)。気力十分、典型的な攻撃型で突きから相手を崩し打突の好機をつくる安藤。守りが固く、相手の手元を浮かせての小手、また鍔競り合いからの絶妙な引き技に定評がある西村(英)。
第2ブロック は、身体能力が抜群で、出て良し引いて良し、思いのままに技を使いこなす梅ヶ谷、台風の目となる予感も。今回、竹ノ内を除く優勝経験者は内村ただ一人。一昨年に続き4度目、返り咲きにかける内村。その相手は、観察力に富み対手に応じ変幻自在に攻め立てる野田。この1回戦がヤマ。そして、遠間からの面を主砲とした荒削りな戦いぶりに大器をうかがわせる北浦。
第3ブロック は、攻守のバランスが良く、間を詰め相手を引き出し、出ばな、応じ技にて仕とめる松﨑。また、地力一番、体幹の強さと中心の攻めに厳しさを持つ正代。が、惜しむらくはむら気あり、これを克服できれば一気に優勝戦線へも。さらには、小柄ながら度胸満点、誘っての返し技、相手の手元を浮かせての小手、至近距離に詰めての突きが得意の萩原。左右上下に相手を揺さぶる難剣で、昨年、内村を3回戦で退け波乱を巻き起こした竹下。
第4ブロック は、やはり本命格は竹ノ内、自らを絶好調へと導く能力は群を抜く。また攻守万能で連覇の可能性は十分に。出ばな技と、面技のタイミングから落とす小手が得意の勝見、集中力が持続すれば上位進出も。防御が固く打突の機会を与えず、相手がしびれを切らした所を一気に勝負をかける真田。オーソドックスな剣風ながらも、間合の駆け引きと打突時の気魄が鋭い笠原。
さて賜杯を手にするのは。
剣窓編集委員・真砂 威
▲ 写真は、前年度、第62回全日本剣道選手権大会 決勝戦 竹ノ内選手 vs 國友選手
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