65th All Japan KENDO Championship
金木犀の香り漂う季節、今年も剣道日本一を競う日が間近い。昨今では大学生の活躍が著しく、今年も3名が予選を突破してきた。職業別では警察官52名、教員4名、会社員・学生が各3名、刑務官2名となる。段別では七段3名、六段29名、五段18名、四段14名で、六段がほぼ半数を占める。
さて第1ブロック、昨年の覇者・神奈川の勝見が連覇を狙う。また先の警察選手権で優勝した北海道の安藤がいる。ベスト8での両者の対決が楽しみではあるが、福岡の村方・東京の越川・京都の坂口・佐賀の笹川・埼玉の嶋田等も上位を窺うに足る力を持つ。
第2ブロック、昨年観衆を沸かせて第3位に入賞した茨城の宮本(国士舘大)がいる。また、この山には初出場者が8名、中でも大阪の前田は変幻自在の名手、一気に頂点へ達する力を秘めている。然れどベテラン・三重の笠原と沖縄の仲間両名にも六段の底力を発揮して欲しい。下方は3度の優勝を誇る東京の内村が居座る。周囲には大阪の大石・大分の竹下等の強者揃い、真に戦々恐々の様相を呈する。
第3ブロック、一昨年の覇者熊本の西村が2度目の賜盃に燃える。初戦で茨城の海老原との対戦に注目。更に大阪の大城戸―静岡の塩谷、香川の木下―長野の志村との取り組みも面白い。下方では実績のある東京の正代が有力とみるが、奈良の山田―広島の山本、埼玉の足立等の巧みな試合ぶりにも興味津々。
第4ブロック、本命は準優勝2回の実績を誇る福岡の國友、捲土重来を期して挑む。対抗馬は東京の畠中、若しくは徳島の大石とみるが、この山には昨年の出場選手が9名、何れの選手も侮れない。鳥取の真田は大学生ながら3年連続の出場で粘り強さが持ち味、初戦で神奈川の松本との対戦に注目したい。また12回目の出場となる福島の原田は宮崎の坂田と対峙する。勝敗だけでなくベテランの技前も楽しみたい。
さて天皇盃は誰の手に!
剣窓編集委員・田村 徹
▲ 写真は、前年度、第64回全日本剣道選手権大会 決勝戦 勝見選手 vs 國友選手
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