10th All Japan KENDO 8-DAN holder's Championship
全剣連設立60周年を迎える本年、その事始めとなる本大会は、桜花爛漫のもと全国各地から厳選された八段剣士32名が集い、剣の極致を披露する。
剣道の真価を発揮し、大会の趣旨に根ざした立合いを期待しつつ、組合せ順に従い選手紹介を試みる。
◇鋭い突き技を核として不敵に迫る古川と閑(しず)かな剣づかいで要所を逃さぬ濱崎、初戦から好取組。
◇堅実な手筋で攻め立てる石塚と昨年地元愛知に悲願の初優勝をもたらした東良美、さて機先を制するのは。
◇慎重にねじ込み大胆な技筋で仕留める佐藤とシャープな面技を武器に伸びやかな剣風で臨む谷、真っ向勝負。
◇じっくりと落ち着いた強みをみせる寺崎と剣さばき巧みな水田、堅と軟の白熱戦。
◇第8回大会(一昨年)の本欄で、「ともに世界大会個人優勝を果たした勇者、時空を超えて・・・」と評した蒔田―大城戸、奇しくも再び顔を合わせる。ちなみに第8回大会は大城戸が面の一本勝ち。
◇緊迫した一触即発の間合で一挙に勝負に出る船津と闊達に攻めかける畠山、打打発止(ちょうちょうはっし)の渡り合い。
◇邪気なく真っ直ぐに迫る下島と長身を利して全日本選手権の一時代を築いた西川、簡潔勝負。
◇果敢な攻めが信条の清水と地力確かな松田、昔年には覇を競ったと思しき中央大と國士舘大、同学年54歳。
◇上段からジリジリと狙い定め勝機をうかがう東一良と気の間隙を衝くに長けた河田、間積もりの妙。
◇百戦錬磨の業師小坂と若年期より数々の戦績を残す香田、10歳の年齢差を越えて剣誼を結ぶ。
◇最年少、初出場の山中と最多出場10回目の高橋、年齢もひと回りの差、剣理の熟達と成熟ぶりは。
◇静かな足づかいで間をはかり勝機をうかがう亀井と周到な攻めから大胆に技を運ぶ氏家、鎬の攻守に注目。
◇柔らかな攻め口の豊村と強気にたたみかける二子石、第4回大会では両者が決勝を戦い、二子石が小手の一本勝ちにて制する。爾来6年の修業度は。
◇長年錬り上げた質朴な地力の牧瀬と勝ち気いっぱいに多彩な技をくり出す笠村、はたして勝機は。
◇巨躯から豪快な技を放つ神崎と五体全身で攻めかかる芳賀、勝負明快。
◇手堅い剣筋で攻める重松と大上段から切れ味鋭い打ち下ろしが本領の金木、間づかいに妙味。
剣窓編集小委員会委員 真砂 威
※この記事は、月刊「剣窓」4月号を再掲載しています。
※選手の氏名は一部常用漢字に変更しております。