13th All Japan KENDO 8-DAN holder's Championship
世代交代は見るみる進む。あの「団塊の世代」もいよいよ姿を消し、替わって本年から、全日本選手権連覇2回を含む6回優勝という未曾有の戦績をのこす宮崎、そして同時代に覇を競った松本が手ぐすね引いて戦列に加わった。選抜された選手32名中8名が初出場という、新しき俊傑台頭の時代を迎えることとなった。
以下、組み合わせ順にしたがって戦局を見とおす。
♢ 一昨年ベスト8、昨年3位の上がり調子で3度目にかける大澤と心気を内にひそめ無拍子に攻め上げる亀井、緩急の間づかいに妙
♢ 万境にしたがい研ぎ澄まされた心気で臨む大河内と地道な剣づかいで二桁出場を果たす重松、実と実とが交(か)う
♢ 一触即発、一息の機に勝負をかける船津と質実な剣風で真っ向から挑む清田、石火の勝負
♢ 剣筋ただしく正攻法で渉(わた)る高木と重厚にして軽快、隠れもない名剣士石田、溌剌(はつらつ)の一戦
♢ 最年少ながら満を持して臨む宮崎と檜舞台で数々の名勝負を演じた小山、一番の好取組
♢ 闊達(かったつ)な剣づかいの巧手笠谷と体幹たしか真っ当に鍛え上げた栗田、歯切れよい熱戦
♢ 俊敏にして軽妙な藤元と悠揚にして玄妙な佐藤桂、いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)
♢ 柔剛あわせ持ち凜然とした気構えで挑む香田とはち切れんばかりの熱気でパワフルに攻めかける東、理外に理あり
♢ 昨年は地元長崎国体で大将をつとめ見事優勝に導いた片山と刃風きらめく不敵武者古川、烈々の対決
♢ 向こう意気強く多彩な技をくり出す笠村と明敏にして快活、神速の剣をふるう佐藤勝、力戦必至
♢ 明快な太刀筋で迎え撃つ神﨑と壮快な剣さばきで攻め寄る松本、理と才の打撃戦
♢ 気じょうぶで敏活、連覇にかける稲富と閑かな地力を蓄えた内濱、突破口は何れが開くか
♢ 積み上げた実力、技量たしかな松田と剣先鋭く果敢に攻め立てる清水、勝負は間一髪
♢ 手筋巧みに錬り上げた水田と明瞭で活発な太刀さばきの山﨑、丁々発止の技くらべ
♢ 恬淡にして気力十分の下島と泰然の構えから快打をくだす山中、剛剣の交わり
♢ 自在、老練の華萌ゆ豊村と端正な身ごなし邪気なく純一に攻め寄せる長谷川、閑雅の交剣。
剣窓編集委員 真砂 威
* この記事は、月刊「剣窓」2015年4月号の記事を再掲載しています。
* 選手の氏名等は一部常用漢字に変更しております。