16th All Japan KENDO 8-DAN holder's Championship
いよいよ世代交代は進み、常連の古川、亀井、船津、重松、佐藤(桂)の二桁出場組、またパワー全開で会場を沸かせた東(良)が姿を消し、本年は、8回目となる大城戸が最多、新たに14名が初出場という、まさに新進の大会となった。
警察、教職、実業界、刑務官、公務員と、それぞれの職域に身を置き、おのおの違った修業環境で築きあげ培った掛け替えのない技倆、その円熟の極みを披露する。
初戦十六番を見わたしてみると、
♢ 陽気が漂う、さっぱりとした戦いぶりの新屋 ― 優柔な構えから大胆な太刀筋で射止める山中
♢ 間拍子に妙味をみせる佐賀 ― 前回またしても連覇、さらに連勝にかけるあの宮崎
♢ 先(さき)んずれば、とばかり積極的に攻めたてる佐伯 ― 無理なく垢抜けた剣づかいで機をのがさぬ恩田
♢ 堅実な身構えで正真の一剣にかける長谷川 ― 闊達な剣風で機を逃さずたたみかける平野
♢ もの柔らかい当たりで聡(さと)く決める石川 ― 大拍子の面を持ち技に果断に攻めかける大城戸
♢ 精巧な剣さばきで緩急強弱を使いこなす笠谷 ― 勝機をとらえる間の勘所が冴える大澤
♢ 懸待おりなす勝負どころをわきまえ大胆な一打で決める小山 ― 体圧を剣先に凝集させ臨機即発の構えで挑む坂田
♢ 本第1回大会覇者で全日本選手権大会優勝3回ほか歴戦常勝の強(つわ)者西川 ― 大様な剣風ながら勝機を逃さず、なお新進、活躍中の宮戸
♢ 恬淡な物腰で正攻に臨む高木 ― 正中の攻めから果断に技を仕かける染谷
♢ 仁王立ちにて覆いかける上段の山本 ― 快活な剣づかいで真っ向から攻め上げる栄花
♢ 重厚にして溌剌な遣いぶり、名うての剣士石田 ― オーソドックスな攻め口からの直線技が冴える浦
♢ 全身全霊を込め敏活に挑みかける稲富 ― 静寂を保ちつつも内に気魂を宿す大河内
♢ 整然とした構えから鷹揚に攻める大兵の清野 ― 活気に満ち先んじての攻撃をもっぱらにする清水
♢ ひたむきな求道剣、捨て身で挑む下川 ― 真一文字な攻撃型、百戦錬磨の江藤
♢ 質実、謹直な太刀づかいで真正面から挑む清田 ― 壮快な剣づかいで相手に余裕を与えず攻め立てる松本
♢ 地力十分にして遠間から放つ伸びやかな面が冴える栗田 ― 精気をみなぎらせ敢然と立ち向かう湯澤
いずれも平成が培った究極の剣、ぜひ観戦されたし。
剣窓編集委員 真砂 威
* この記事は、月刊「剣窓」2018年4月号の記事を再掲載しています。
* 選手の氏名等は一部常用漢字に変更しております。