65th All Japan Interprefecture KENDO Championship
昨年は、愛媛と埼玉が決勝を戦い、接戦の末に代表者戦へ突入する。両大将、新谷―金田による決戦は、金田が新谷に小手を決め、埼玉が優勝を果たす。
本年の組合せをみると第1ブロック上には埼玉が、昨年の大将金田と優秀選手の橋本が留まり連覇を目指す。その行く手を阻むのは京都か。また、今をときめく大阪体育大学のOB、大石・梶原・平野の3人組を擁する徳島も看過できない。ブロック下は、東京が断トツの存在感を示すが、この2年入賞圏から遠ざかっており、今年は何としてでも最前線に躍り出たいところ。村瀬・畠中を核に笹川で締めてかかる。昨年8強の広島は國武・有場が居残り、また同じく8強の鹿児島は大将の東中尾のみ残し副将以下総入れ替えでこれに挑む。
第2ブロック上、兵庫は巧者西村と立見に加え新進の大将秋山と後ろ3人の活躍に負うところ大。大分は、栗山・阿部・竹下の中3人の出来いかんにかかる。香川は、こ のところ目立った活躍はないが大将玉浦のもと五将葛西、三将松本を中心としたチームのまとまりに期待がかかる。ブロック下では、昨年3位の三重が入賞に貢献のあった伊藤・工門・中田を残し更なる上位を窺う。宮崎は、清家・染矢の前2人が牽引役となり後半戦に持ち込めば面白い。
第3ブロック上は、大阪が最有力と目される。大城戸・田中が昨年を継ぎ強者江藤が大将に躍り出て、8年ぶりの優勝にかける。千葉は、五将山内を除き大将染谷から先鋒小島までメンバーを入れ替えて陣を張る、が、1回戦の岩手がカギ。岩手は昨年、山梨・徳島を破り3回戦の大阪戦で3―3の大将戦までもつれ込む接戦を演じたが、その菅野・菅原・小田口らが残ってリベンジを画する。熊本は昨年、震災のため欠場を余儀なくされたが、一昨年の選手権者西村を柱に先鋒岩切、中堅芹川らが実力を蓄え捲土重来を期する。ブロック下は、これまで不振をかこつ神奈川だが、今年はあの宮崎正裕を大将に、三将には現選手権者の勝見を配して史上最強の布陣で臨む。そして宮城・佐賀と岡山が鎬を削り神奈川に挑む構図が見えてくる。
第4ブロック上は、愛知の進出をどこが阻止するかが焦点となるが、その愛知とて今まで8強止まりに喘ぐ境遇、この域をいかに乗り越えるか。また新潟、山梨、福島、長崎、奈良各県の切磋琢磨に期待がかかる。ブロック下は、今大会一の混戦区といえよう。和歌山は、先鋒と副将を除くほか西村・吉田・藤岡・笠原・宮戸の5名を再結集させ優勝再現を講ずる。また、男子7人制の新編成となってからの過去8年で山口には3位、茨城には2位と3位の実績があり侮れない。そして福岡は、新編成となってから優勝こそないが58回大会から5年連続で2位4回、3位1回という好成績を残している。北海道は、次鋒山田、三将安藤、大将佐賀という絶大の布陣で臨む。1回戦では福岡―北海道が今大会一の見ものとなろう。そしてその勝者を迎えうつ昨年2位の愛媛は、大活躍した大将新谷ほか五将大亀、中堅髙橋が堂々と再名乗りを上げる。
待ち遠しや大阪、春の陣。
剣窓編集委員 真砂 威
▲上記写真:前年度 第64回大会優勝 埼玉県(26年ぶり2回目)
* この記事は、月刊「剣窓」2017年5月号の記事をホームページ用に再編集して掲載しています。
* 選手の氏名等は一部常用漢字に変更している場合があります。