16th World KENDO Championships
全剣連では、2015年5月29~31日、日本武道館において第16回世界剣道選手権大会(16WKC)を開催します。そこでプロ・アマを問わず広く一般から大会に相応しいロゴマークを募集していましたが、4月30日の締め切りまでに、115名の方々から158点の作品をお寄せいただきました。
審査会は5月20日(月)、15時30分より、全剣連九段事務所において福本 修二専務理事、岡本 淳常任理事の立会の下、日本画家の中島 千波東京芸術大学名誉教授、鴨志田 恵一監事、画家の青木 千代子参与、オグルヴィ・ワン・ジャパン株式会社クリエイティブ・ディレクターの阿部 晶人情報委員、佐藤 征夫常任理事・国際剣道連盟事務総長の5氏を審査員に迎えて選考が行なわれ、次の通り特賞1点、入賞5点が決定しました。
◯ 植村 慎一郎 Shinichiro UEMURA
東京都中央区・フリーランスデザイナー/アートディレクター
「面金の線を入れると、うーんと思っちゃったかもしれませんが、真っ赤でベタ(塗り潰す)にして、面ぶとんの部分も黒くベタにしている。レタリング(デザイン化された文字)もうまく入れていて、シンプルさが非常にはっきり出ていますね。日の丸のかたちと面のかたちというものが、イメージした時にきっと合うんじゃないかな。面ぶとんの部分も太さによって随分イメージが違ってくるけど、赤とのバランスとも上手くまとめています。もしこれに突き垂を入れちゃうと面白くなくなっちゃう。具体的なものを使いながら抽象的にかたちを取って、バランスが良いですよね。一番簡単そうに見えるのが一番難しい。色々と描いた方が誤魔化せるところがあるけど、これだと誤魔化せないでしょ。すごく字も活きているんですよ。
国際剣道連盟総会の時に、第1回大会からのロゴマークが入った旗をくっつけて長く並べるんです。ですから、前回と同じ様なデザインだとダメなんです。過去のものと違う特徴的なもので、かつシンプルで力強いものが良いんです。このようなデザインは今までなかったので、目立つと思います。
第1回大会を日本武道館でやって、ここに戻ってくるということ、また、剣道は日本発祥の武道なんで、そういう王道感みたいなものがあります」
(各審査員講評抜粋)
○ 松本 智 Satoru MATSUMOTO
千葉県船橋市・デザイナー/フリーランス
○ 完倉 正師 Masashi SHISHIKURA
千葉県四街道市・株式会社 文化舎インターナショナル
○ 小柴 雅樹 Masaki KOSHIBA
兵庫県宍栗市・デザイナー
○ 佐々木 等 Hitoshi SASAKI
東京都目黒区・株式会社 電通
○ 池田 克也 Katsuya IKEDA
埼玉県狭山市・フリーグラフィックデザイナー
「剣道という日本の伝統的なもの――竹刀やお面を使ったり、試合をしているかたちを作ったりと、具体的なものから、非常にシンプルで抽象的なかたちを作って、とてもバラエティに富んでいるのが見受けられましたので、面白い選考となりました。伝統の「道(みち)」というイメージを上手く持ってきて、色の配色も単純化したり、皆さん独創的だったと思います。
今はパソコンで随分と打ち込めるので、プロの人はもちろん、素人に近い人でも、レタリング等、意外と楽に使っていますね。それだけ皆さんの関心が強いということかもしれません。非常に良いと思いました。
その一方で、鉛筆で描いてくれた人もいました。ですから、一概に完成度の高さだけで選ばずに、アイデアや考え方で選ぼうと審査しました。中には、剣道の真髄、コンセプチュアルなものを抽象的に作ってきてくれた方もいるんですが、今回は剣道を知らない人にも剣道を知ってもらうという意味合いもあり、そこまで次元の高いものを一等賞にはしませんでした。
よく、これだけの作品が集まったと思いますね。
皆さん本当に工夫されていて、剣道への愛情を感じます」
(各審査員講評抜粋)
★ なお、特賞作品は、16WKCロゴマークとして、ポスターやグッズ等に使用します。