剣道普及キャラクター「ぶしし」誕生。

情報小委員会委員長 阿 部 晶 人

11月3日に開催された第65回全日本剣道選手権大会の会場に足を運んでいただいた皆様、プログラムの裏表紙や入場時に配られたクリアファイルに描かれたライオンのキャラクターはお気づきになりましたか? 彼こそが剣道普及のために生まれた新しいキャラクター「ぶしし」です。

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「ぶしし」は情報小委員会での話し合いの中で誕生しました。当委員会では、剣道の正しい情報発信を活動の中心として、日々、他の武道やスポーツ団体の動向などを調査しています。昨年の委員会で、とある委員が「ラグビーのルール動画」という、初心者にもラグビーのルールを簡単に伝えるための、かわいらしいCGキャラクターのアニメーションで作られた映像を紹介してくれました。剣道でもよく「ルールがむずかしい」というご意見をいただきますので、早速剣道でもこのような映像を作れないだろうかと具体的な話し合いを進めました。そのためにはまず、映像を飽きずに見てもらうための、愛嬌のあるキャラクターを作る必要がありました。そこで、このラグビーの動画を制作したクリエーターの方に直接打診したところご快諾をいただき、開発がスタートしました。

名著「猫の妙術」など、剣道は昔から猫と関わりが深いため、猫科の動物で最強の「ライオン」をモチーフにしたキャラクターを作ることにしました。しかし、すでに剣道の達人となっているライオンを作っても感情移入できないと考えたため、剣道初心者の設定にしました。剣道をこれから始める皆様と共に成長するキャラクターにしたかったのです。早速この設定を体現する「頑張って蹲踞しようとするが転倒し、毅然とした態度で立ち直る」動画を作成し公開したところ、思った以上に反響をいただきました。

名前は公募とさせていただいたところ、1500以上の応募が集まり、嬉しい悲鳴をあげながら選考をさせていただきました。名前に対する思いをびっしりと書き連ねてくださった方も数多くいらっしゃいましたので、それらも丁寧に読みながら選考いたしました。最終候補の中から会長や役員の皆様とも選考会議をいたしまして、剣道の源流である「武士」とライオンの「獅子」を掛け合わせたシンプルで覚えやすい「ぶしし」に決定となりました。見た目がトウモロコシっぽいので「コーンくん」、切ったマンゴーに似ているから「マンゴー丸」など、こちらでは想像もつかない案も数多くいただきましたことをお礼申し上げます。

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こうして誕生した「ぶしし」は今年11月3日の第65回全日本剣道選手権会場にて、プログラムやクリアファイル、また入り口の立て看板となって皆様をお出迎えさせていただきました。また、インターネット上では新たに「すり足を練習するぶしし」の映像も公開しました。当日限定発売した手ぬぐいは数時間で完売となり、再発売の要望が届いております。皆さまも「ぶしし」の活用アイデアがありましたら是非お寄せください。

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「ぶしし」は今日も地道に稽古をしており、少しずつ上達しています。いずれは最高段位に到達する可能性もあるかもしれません。剣道を始めたばかりの方にとって日々の稽古は辛い時も多いはずですが、「ぶしし」がそんな皆様の心の支えになれば幸いです。どうか今後は皆様も「ぶしし」の親となり、一緒に育ててくださいますよう、よろしくお願いいたします。

この記事は、月刊「剣窓」2017年12月号の記事を再掲載しています。


ぶしし 命名者 4名

  • 東京都在住の天川 涼帆さん
  • 埼玉県在住の中西 康太さん
  • 東京都在住のTEJERO DE PABLOS Antonio さん
  • 他1名

沢山のご応募をいただき、誠にありがとうございました。

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