称号と段級位のルール

The Regulations for DAN・KYU and SHOGO Title Certificates

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  • 称号・段級位審査規則
  • 称号・段級位審査細則
  • 実施要領

剣道称号・段級位審査規則

平成24年4月1日制定・施行

第1章 総 則

(目的)

第1条

この規則は、全日本剣道連盟(以下「全剣連」という。)定款に基づき、剣道の称号及び段級位の審査、授与等について定める。

(最高位)

第2条

称号、段級位を通じ、範士を最高位とする。

(全剣連審査員選考委員会)

第3条
  1. 全剣連に、全剣連審査員選考委員会(以下「全剣連選考委員会」という。)を置く。
  2. 全剣連選考委員会は、称号審査又は全剣連段位審査の審査員を選考するほか、第14条及び第20条に定める全剣連の会長(以下「会長」という。)の諮問に答える。
  3. 全剣連選考委員会は、会長が委嘱する理事2人、範士3人及び学識経験者2人の委員合計7人をもって組織する。
  4. 委員の任期は、委嘱の日から2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。ただし、任期の満了前に退任した委員の補欠として選任された委員の任期は、退任した委員の任期の満了する時までとする
  5. 委員は、任期満了後においても、後任の委員が就任するまでの間は、なお委員として職務を行うものとする。委員は、再任を妨げない。
  6. 全剣連選考委員会は、会長が必要に応じて招集し主宰する。その運営は、全剣連の理事会の運営に準じて行う。

(地方代表団体審査員選考委員会)

第4条
  1. 地方代表団体に、地方代表団体審査員選考委員会(以下「地方代表団体選考委員会」という。)を置くものとする。
  2. 地方代表団体選考委員会は、地方段位審査の審査会の審査員を選考するほか、地方代表団体が別に定めるところにより、当該地方代表団体の長の諮問に答えるものとする。
  3. 地方代表団体選考委員会は、地方代表団体の長が委嘱する理事又はこれに準ずる者2人、範士2人及び学識経験者1人の委員合計5人をもって組織するものとする。当該地方代表団体の事情により、これにより難いときは、委員の構成を変えることができるが、同一資格の委員のみによって組織することはできないものとする。
  4. 前条第4項及び第5項の規定は、地方代表団体選考委員会に準用する。
  5. 地方代表団体の長は、第3項の規定により地方代表団体選考委員会の委員を委嘱したときは、会長に対し、委員の氏名等を速やかに全剣連の定める様式の書面をもって報告しなければならない。

(審査委員長)

第5条
  1. 全剣連段位審査及び地方段位審査の審査会に、いずれも審査委員長を置く。
  2. 前項の審査委員長は、審査会を掌理し、審査事務従事者を指揮監督する。
  3. 全剣連段位審査の審査会の審査委員長は、全剣連理事の中から会長が委嘱する。
  4. 地方段位審査の審査会の審査委員長は、当該地方代表団体の理事又はこれに準じる者の中から、その長が委嘱するものとする。

(審査員の選考・委嘱)

第6条
  1. 称号審査の審査員は、全剣連選考委員会の選考に基づき、会長が審査会ごとに委嘱する。
  2. 全剣連段位審査の審査員は、全剣連選考委員会の選考に基づき、会長が審査会ごとに委嘱する。
  3. 地方段位審査の審査員は、地方代表団体選考委員会の選考に基づき、地方代表団体の長が審査会ごとに委嘱するものとする。

(審査員の選考基準、審査員の数)

第7条

1. 称号の審査員の選考基準及び審査員の数は、次のとおりとする。

審査対象 選考基準 審査員の数
錬士 範士又は教士で年齢71歳未満の者 6人
教士 範士で年齢71歳未満の者 4人 6人
学識経験者 2人
範士 範士 7人 10人
学識経験者 3人

2. 段位の審査員を選考基準及び審査員の数は、次のとおりとする。

審査対象 選考基準 審査科目 審査員の数
初段から三段 錬士六段以上の者 実技・形・学科 5人
四段及び五段 教士七段以上の者 実技・形・学科 6人
六段及び七段 範士又は教士八段で
年齢71歳未満の者
実技 6人
範士 3人
八段 範士で年齢76歳未満の者 第一次実技 6人
範士で年齢76歳未満の者 第二次実技 9人
範士 3人

(審査会)

第8条
  1. 第6条第1項の規定により委嘱された審査員をもって、称号審査の審査会を組織する。
  2. 第6条第2項の規定により委嘱された審査員をもって、全剣連段位審査の審査会を組織する。
  3. 第6条第3項の規定により委嘱された審査員をもって、地方段位審査の審査会を組織する。
  4. 第2項及び前項に規定する段位審査会の審査場に、審査主任1人を置く。
  5. 前項の審査主任は、審査委員長の指揮監督を受けて、当該審査場の審査を運営するほか、審査員を掌握する。

(審査員の責務)

第9条
  1. 審査員は、いかなる称号、段級位の審査においても、常に厳正、適正、かつ、公平であらねばならない。
  2. 審査員は、その任務の重要性を自覚し、審査の信用を傷つけ、又は不名誉となる行為をしてはならない。

第2章 称号の審査

(付与基準)

第10条

称号は、錬士、教士及び範士とし、第11条に規定する受審資格を有する者であって、次の各号の基準に該当する受審者に与えられる。

  1. 錬士は、剣理に錬達し、識見優良なる者
  2. 教士は、剣理に熟達し、識見優秀なる者
  3. 範士は、剣理に通暁、成熟し、識見卓越、かつ、人格徳操高潔なる者

(受審資格)

第11条

1. 称号を受審しようとする者は、個人会員であって、次の各号の条件を満たさなければならない。

  1. 錬士 六段受有者で、六段受有後、別に定める年限を経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者
  2. 教士 錬士七段受有者で、七段受有後、別に定める年限を経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者
  3. 範士 教士八段受有者で、八段受有後、8年以上経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長から推薦された者、又は全剣連の会長が適格と認めた者

2. 五段受有者で、地方代表団体の選考において、第10条第1号の基準に達していると認められ、特に地方代表団体の長から推薦された者は、前項第1号の規定にかかわらず、錬士の称号を受審することができる。

(審査の方法)

第12条
  1. 錬士の審査は、前条第1項第1号に規定する受審資格を有する受審者に対し、学科審査によるものとし、その詳細は実施要領による。
  2. 教士の審査は、前条第1項第2号に規定する受審資格を有する受審者に対し、学科審査によるものとし、その詳細は実施要領による。
  3. 範士の審査は、前条第1項第3号に規定する受審資格を有する者であって、地方代表団体の長から推薦を受け又は全剣連の会長から適格と認められた受審者に対し、書類選考の方法によって行うものとし、その詳細は実施要領による。

(審査の合否)

第13条
  1. 錬士及び教士の審査は、審査員6人中4人以上の合意により合格と判定する。
  2. 範士の審査は、審査員10人中8人以上の合意により合格と判定する。

(特別措置)

第14条
  1. 会長は、称号審査の審査会において合格と判定された受審者に対し、当該審査合格の決定を行うものとする。ただし、特段の事由があると認める場合には、全剣連選考委員会に諮問した上、不合格の決定を行うことができる。
  2. 会長は、称号審査の審査会において不合格と判定された受審者であっても、特段の事由があると認める場合には、当該判定に係る合意の内容を斟酌し、全剣連選考委員会に諮問した上、当該審査合格の決定を行うことができる。
  3. 会長は、不正の手段を用いて称号の審査を受審しようとした受審者に対し、当該審査手続を中止することができる。会長は、同様の手段を用いて称号審査において合格の判定を得た受審者に対し、当該判定を取り消して不合格の決定を行うことができる。

第3章 段位の審査

(付与基準)

第15条

段位は、初段から八段までとし、第17条第1項各号に規定する資格を有する受審者であって、次の各号の基準に該当する者に与えられる。

  1. 初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者
  2. 二段は、剣道の基本を修得し、技倆良好なる者
  3. 三段は、剣道の基本を修錬し、技倆優なる者
  4. 四段は、剣道の基本と応用を修熟し、技倆優良なる者
  5. 五段は、剣道の基本と応用に錬熟し、技倆秀なる者
  6. 六段は、剣道の精義に錬達し、技倆優秀なる者
  7. 七段は、剣道の精義に熟達し、技倆秀逸なる者
  8. 八段は、剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なる者

(地方代表団体の審査)

第16条
  1. 初段から五段までの審査(全剣連段位審査を除く。)は、会長が地方代表団体に委任して行う。
  2. 前項の審査は、この規則によるほか、別に定めるところによりこれを行う。

(受審資格)

第17条

1. 段位を受審しようとする者は、個人会員であって、次の各号の条件を満たさなければならない。

  1. 初段 一級受有者で、満13歳以上の者
  2. 二段 初段受有後1年以上修業した者
  3. 三段 二段受有後2年以上修業した者
  4. 四段 三段受有後3年以上修業した者
  5. 五段 四段受有後4年以上修業した者
  6. 六段 五段受有後5年以上修業した者
  7. 七段 六段受有後6年以上修業した者
  8. 八段 七段受有後10年以上修業し、かつ、年齢46歳以上の者

2. 次の各号のいずれかに該当し、地方代表団体の長が特段の事由があると認めて許可した者は、前項の規定にかかわらず、当該段位を受審することができる。

1. 二段から五段までの受審を希望し、次の年齢に達した者

受審段位 年 齢
二 段 35歳
三 段 40歳
四 段 45歳
五 段 50歳

2. 初段から五段までのの受審を希望し、次の修業年限を経て、特に優秀と認められる者

受審段位 修業年限
初 段 一級受有者
二 段 初段受有後3か月
三 段 二段受有後1年
四 段 三段受有後2年
五 段 四段受有後3年

(審査の方法)

第18条
  1. 初段から五段までの審査は、実技、日本剣道形(以下「形」という。第7条第2項の「形」も同じ。)及び学科について行い、六段から八段までの審査は、実技及び形について行う。
  2. 学科の審査は、筆記試験により行う。
  3. 八段の実技審査は、第一次審査に引き続き第二次審査を行うものとし、第一次審査で合格判定を受けた者が、第二次審査を受審することができる。
  4. 初段から八段までの審査において、形又は学科の審査の不合格者は、当該科目を再受審することが できる。
  5. 前4項に規定するもののほか、審査の方法及び運営については別に定める。

(審査の合否)

第19条
  1. 初段から三段までの審査は、審査員5人中3人以上の合意により合格と判定する。
  2. 四段から七段までの審査は、審査員6人中4人以上の合意により合格と判定する。
  3. 八段の第一次実技審査は、審査員6人中4人以上の合意により合格と判定し、第二次実技審査は、審査員9人中6人以上の合意により合格と判定する。
  4. 六段から八段までの形審査は、審査員3人中2人以上の合意により合格と判定する。

(特別措置)

第20条
  1. 会長は、段位審査の審査会において合格と判定された受審者に対し、当該審査の合格決定を行うものとする。ただし、特段の事由があると認める場合には、全剣連選考委員会に諮問した上、不合格決定を行うことができる。
  2. 会長は、全剣連段位審査の審査会において不合格と判定された受審者であっても、特段の事由があると認めた場合には、当該判定に係る合意の内容を斟酌し、全剣連選考委員会に諮問した上、当該審査合格の決定を行うことができる。
  3. 会長は、不正の手段を用いて段位の審査を受審しようとした受審者に対し、当該審査手続を中止することができる。会長は、同様の手段を用いて当該段位審査において合格の判定又は決定を得た受審者に対し、当該判定又は決定を取り消して不合格の決定を行うことができる。
  4. 第2項から前項までの規定は、地方段位審査の審査会における合否判定に準用する。

第4章 級位の審査

(級位及び付与基準)

第21条
  1. 級位は、一級から三級までとする。ただし、地方代表団体が、四級以下の級位を定めることを妨げない。
  2. 級位の付与基準は、初段の付与基準に依拠するものとし、剣道の基本を修習し、技倆相当なる受審者に与えられる。

(地方代表団体による審査等)

第22条
  1. 級位の審査及び授与は、会長が、地方代表団体に委任して行う。ただし、地方代表団体が、当該地方代表団体の団体会員又はこれに準ずる団体に委任することを妨げない。
  2. 前項の審査及び授与は、この規則によるほか、別に定めるところによる。

(受審資格)

第23条
  1. 級位を受審しようとする者は、地方代表団体の個人会員でなければならない。
  2. 前項に規定するもののほか、級位の受審資格は、地方代表団体の定めるところによる。

(審査方法等)

第24条
  1. 一級から三級までの審査は、別に定める実技について行う。
  2. 前項に規定するもののほか、級位審査の方法及び運営並びに級位の授与(証書の授与を含む。)及び登録は、地方代表団体の定めるところによる。

第5章 雑 則

(情報の提供)

第25条

全剣連又は地方代表団体の会長は、必要に応じ、受審者の合否等に関する情報を当該受審者に提供するものとする。

(審査料等)

第26条
  1. 称号及び六段以上の段位の審査料、並びに称号及び段位の合格に伴う登録料については、別に定めるところにより、地方代表団体を経て全剣連に納入しなければならない。
  2. 第17条第2項第1号の規定による場合の登録料は、初段から累計した額とする。
  3. 段位の審査料及び登録料は、地方代表団体の定めるところによる。

(証書の授与)

第27条
  1. 会長は、称号又は段位の審査に合格した者に対し、証書を授与する。
  2. 地方代表団体の長は、一級から三級までの審査に合格した者に対し、会長の委任を受け、証書の授与を実施するものとする。

(外国人の取扱い)

第28条
  1. 外国人の称号及び段位の審査に関する諸手続その他については、本規則の規定を準用するほか、諸手続については別に定める。

附 則

  1. 本規則は、平成24年4月1日から施行する。
  2. 財団法人全日本剣道連盟寄附行為に基づいて授与された称号又は段位については、本規則施行後においても効力を有するものとする。

平成24年4月1日
全日本剣道連盟

次の「称号・段位の見直しについて」と題する文書は、称号・段位審査規則(以下「(前)規則」という。)の趣旨を敷衍すべく、(前)財団法人全日本剣道連盟が平成11年3月24日付けで作成した(前)規則前文である。

この文書は、その後、高齢者に対する優遇措置が廃止されるなど、若干の改正が行われるなどしたため、一部に現状にそぐわない記述なしとしないものの、今回、新たに制定・施行された称号・段級位審査規則においても、引き続き(前)規則の趣旨を継承していることから、(新)規則の理解をより深めることに資するべく、ここに注記を付して掲記することとした。

称号・段位の見直しについて

平成11年3月24日
財団法人全日本剣道連盟

剣道における称号・段位制度の歴史は明治時代にさかのぼるが、戦前・戦後を通じて、剣道の普及・発展に重要な役割を果たしてきた。全日本剣道連盟(全剣連)は今後とも、この制度を重視・活用して、剣道の奨励と発展に役立たせて行くこととしたい。

第二次大戦による混乱期を経て、剣道が再発足してから、称号・段位について全剣連は、戦前の制度を引継ぎ、全国的に統一された形で運営に当たってきた。そして戦後の情勢の変化に対応し、所要の改定を加えつつ運用し今日に至っている。しかし、その間の対応において、万全を期し得なかった点もあり、 全剣連発足50年を迎えようとしている現在、基本的目的と性格を明確にし、これに基づく運用を適正、合理的に行うことが求められている。

そこでこの際、これまでの称号・段位の制度及び連用について全般的な見直しを行い、今後、長期にわたっての剣道の奨励、発展を図り、社会よりの理解を深め得る望ましい安定した制度と、適正な運用を確立しようとするものである。

― 見直し方策の大綱 ―

1. 称号と段位の性格を明確にする
これまで常に問題とされてきた、称号と段位の関連性については、それぞれの性格を明確にした上で並立させる。
段位は「剣道の技術的力量(精神的要素を含む)」、称号は「これに加える指導力や、識見などを備えた剣道人としての完成度」を示すものとして、審査を経て授与されるものとする。この際それぞれについて、具備すべき条件、基準を明らかにするよう努める。
2. 審査の運用の充実と改善を進める
前号に基づく条件、基準に準拠して、審査方法の改善と合理化を進める。特に審査員の選考制度を確立し、全般的に審査員の質の向上を図る。
3. 審査と教育の連動を図る
教育、講習と審査の連動を図り、真の実力と質の向上を望み得る制度とその適正な運用を進める。
4. 受審者の立場への配慮を深める
受審者をふるいにかけるための審査にせず、審査を実力向上のための手段として効果あらしめるものとする。このため審査に関する情報の開示、受審者への伝達、指導などを進める。また英才、高齢者に対し、修業年限の短縮など、受審資格の優遇措置を講ずる。<註1>
5. 改定実施の時期など
本大綱の決定を受けて、規則自体の改定を本年度中に行い、実行面の具体的事項、基準の細目などの検討、作業を別途平行して進め、成案を得たものから実行し、必要と認められる経過措置を講じつつ、平成12年度より実施に入ることを目途とする。なお、現行制度で取得した称号・段位については、従来通りとする。
6. その他
居合道・杖道についても別途、本大綱に準じた改定を行う。

― 具体的改善策 ―

1. 段位の基準を明確化
現規程では、段位の基準が設けられておらず、審査員の経験則のみに頼っていた。公正かつ妥当な審査を行うためには、何らかの具体的基準が必要と思われる。段位の基準を明確にすることにより、審査員と受審者の双方に通じる、段位の客観的な価値判断が可能になる。
海外の段位については、それぞれの国の運用に任せている関係上、基準統一の必要性はより大である。
2. 九段、十段について
範士が剣道界の最高峰という伝統的な立場を再確立するものとする。
九段、十段は、新しい審査規則には記載しない。
3. 昇段のための修業年限の改善
現行の修業年限は概ね踏襲するが、五段以下については英才を抜擢するために、また、六段以上については高齢者対策として、それぞれ受審資格の短縮等の優遇的措置を盛り込む。<註1>
4. 審査員選考委員会の設置
現在の「審査員の選考に関する規程」は、称号及び六段以上の審査に適用することとしているが、その機能が十分果たされていない憾みがある。また、各都道府県剣道連盟(加盟団体)には当該制度が確立されていないので、これを新規則に盛り込み、全剣連と加盟団体それぞれに審査員選考委員会を設け、審査員の適正な選考を進めると同時に、審査員の責任を明確にする。
5. 審査員構成等の見直し
審査員の人数、合否の判定ついての方法は、概ね現行を踏襲する。但し、範士及び八段審査については見直しを行う。
6. 称号の資格及び審査の見直し
(1)範士の審査
範士は、剣道界の最高の位であるにもかかわらず、主として八段の年功序列によって授与しているのが現状である。また、現在、加盟団体会長の推薦のみを必要条件としているが、今後は、加盟団体会長の推薦を勘案の上、全国的視点で候補者名簿を作成し、その中から適格者を審査員が厳選するという審査方法をとることとする。
なお、資格や条件については見直しを行う。
(2)教士、錬士の審査
教士及び錬士の資格等を見直すとともに審査を厳しく行い、称号を権威あるものとして位置づける。また審査は、単なる合否の判定だけでなく、しかるべき試験や講習を実施した後に行うとともに、社会体育指導員資格等を審査に活用することを考える。
教士の審査の実務は全剣連が行うものとし、錬士の審査の実務は、全剣連の定める基準により、主たる部分を加盟団体に委任する方法で行う。
7. 認定審査及び追授の廃止
称号を権威あらしめるため、功績による認定審査を原則として廃止し、称号と段位の昇格順位の跛行状態を改善する。また称号、段位とも追授を廃止し、それらに代わる措置として表彰制度を充実する。
8. 段位の審査
六段及び七段の審査は慨ね現行を踏襲する。
八段については、実技試験の内容を充実させる。形と学科については後日認定講習を行い、最終決定する。<註2>
五段以下については、加盟団体に委任するという現行の制度を今後も維持するが、段位の付与基準を定めて、全国的に整合性のある審査が行われるようにする。
9. 規則体系の整備
現行の「称号審査規程」と「段位審査規程」を一本にまとめ「称号・段位審査規則」と名称を変更する。また、現行の規程では、称号、段位審査制度の目的が明確にされていないので新規則では、「奨励及びその向上に資する目的で剣道の称号及び段位を定め、その審査を行う」と定めた。規則の整備に伴う細則については、別途に作業部会を編成して作成する。<註3>

<註1> 平成20年6月11日付け改正により「見直し方策の大綱4」及び「具体的改善策3」にある「高齢者に対する優遇措置(修業年限の短縮)」を廃止した。

<註2> 平成16年3月18日付けの改正により「具体的改善策8」にある、八段の「形と学科についての認定講習」を廃止し、六段及び七段と同様、実技と形について行うこととした。

「具体的改善策9」については、全文を削除したものとみなすものとする。

* 以上の各注記のほか、平成24年4月1日付け全日本剣道連盟定款の施行に伴い、従前の「加盟団体」が「地方代表団体」と呼称されることとなったので、その旨併せて申し添える。

以 上

剣道称号・段位審査細則

平成24年4月1日制定・施行

細則

(趣旨)

第1条

剣道の称号及び段級位の審査、授与等については、剣道称号・段級位審査規則(以下「規則」という。)に定めるもののほか、この細則(以下「細則」という。)の定めるところによる。

(用語の意義)

第2条

規則及び細則において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

  1. 学識経験者  剣道に通じ、学問上の識見と社会的経験の豊かな者をいう。
  2. 地方代表団体  全剣連の定款及び会員規則に規定する地方代表団体をいう。
  3. 個人会員  全剣連の定款及び会員規則に規定する個人会員をいう。
  4. 実施要項  全剣連の理事会が別に定める剣道称号・段位審査実施要領をいう。
  5. 全剣連段位審査  全剣連が直接行う段位審査をいう。
  6. 地方段位審査  初段から五段までの審査(全剣連段位審査を除く。)をいう。
  7. 審査事務従事者  審査員その他審査事務に従事する者をいう。

(全剣連審査員選考委員会)

第3条

全剣連選考委員会は、地方代表団体選考委員会が行う審査員の選考に関する申立、質疑等に対し、審議し回答する。

(審査委員長の任務)

第4条

審査会における審査委員長の任務は、次のとおりとする。

  1. 事前に審査員研修を実施する。
  2. 規則第9条及び細則第8条が定める審査員の責務並びに細則第7条が定める審査主任の任務の遵守について掌握する。
  3. 受審者に対し審査の実施に関する指示及び諸注意を行う。
  4. 審査員の採点した採点用紙の集計を行い、合格者番号を整理し、合格者の発表を行う。
  5. 審査員に事故ある場合は、速やかに適切な処置を行うとともに、審査が遅滞しないよう万全を期する。
  6. 審査員に審査会の運営に関する情報提供を行う。
  7. 受審者に負傷等の事故が発生した場合は、速やかに適切な処置を行うとともに、審査が遅滞しないよう万全を期する。
  8. 審査会場全般における秩序と環境の保持を図り、審査の進行管理を円滑適正に行う。
  9. 審査事務従事者に適切な指示を行う。

(審査員の選考・委嘱)

第5条
  1. 全剣連及び地方代表団体選考委員会が審査員を選考したときは、速やかに全剣連が定める様式に従い、審査員の氏名等所定の事項を記載した名簿を、全剣連選考委員会は会長に、地方代表団体選考委員会は地方代表団体の長に報告しなければならない。
  2. 会長及び地方代表団体の長は、前項の名簿に基づき審査員を委嘱するものとする。

(審査員の選考基準、審査員の数)

第6条

規則第7条第2項に規定する審査員で全剣連段位審査を行う者は、複数の審査科目の審査員を兼ねることができる。

(審査主任の任務)

第7条

段位審査会の審査場における審査主任の任務は、次のとおりとする。

  1. 担当する審査場の審査員を指揮監督し、適正な審査に当たる。
  2. 担当する審査場の審査事務従事者に審査の運営に関する指示を行い、適正かつ円滑な審査の進行を図る。
  3. 審査員に事故ある場合は、速やかに適切な処置を行うとともに、審査委員長に報告する等、審査が遅滞しないよう万全を期する。
  4. 審査中、受審者に負傷等の事故が発生した場合は、速やかに適切な処置を行うとともに、審査委員長に報告する等、審査が遅滞しないよう万全を期する。
  5. 規則、細則及び実施要領に定めるもののほか、規則第5条第2項の規定に基づく審査委員長の指揮監督に従って審査が行なわれているのかを常に確認する。
  6. 審査場及びその周辺における受審者又は見学者等の不適切な挙動等を発見した場合は、直ちに審査を中止し、審査委員長に報告する等、速やかに審査の適正化を図る。

(審査員の責務)

第8条
  1. 審査員は、規則第9条の責務を全うするため、その公正、公平を疑われるような、いかなる言動も慎まねければならない。
  2. 審査員は、何人を問わず審査に支障をおよぼすおそれがあると疑われるいかなる財産上の利益の供与、若しくは供応接待を受けてはならない。
  3. 審査員は、審査に利害関係を有する者と審査の公正が疑われるような方法で接見又は交信をしてはならない。
  4. 審査員は、いかなる審査会においてもみだりに他の審査場に出入りし、又は他の審査員に対し、特定の受審者を益し又は害するような言動をしてはならない。
  5. 審査員は、審査に際し、合格又は不合格の意思を表明しなければならない。

(称号の付与基準)

第9条

称号の付与基準は、規則第10条のほか、実施要領によるものとする。

(称号の受審資格)

第10条
  1. 規則第11条第1項第1号の「別に定める年限」は、当分の間「1年」とする。
  2. 規則第11条第1項第2号の「別に定める年限」は、当分の間「2年」とする。
  3. 規則第11条第2項に規定する錬士の受審資格者は、「五段受有後10年以上を経過し、かつ、年齢60歳以上の者」とする。

(称号審査の方法)

第11条

筆記試験の不合格者は、実施要領に定める場合に限り再受審することができるものとする。

(称号審査の特別措置)

第12条
  1. 規則第14条第1項の諮問に対する全剣連選考委員会の答申は、委員7人中5人以上の合意によって決する。
  2. 会長は、前項の答申を受けて合格判定を不当と認め、これを取り消したときは、その旨を、受審者に告知するとともに、全剣連選考委員会に通知しなければならない。
  3. 会長は、規則第14条第2項の審査会の合意の内容を斟酌するに際しても、全剣連選考委員会の意見を聴くことができる。
  4. 会長は、規則第14条第3項の不合格決定を行ったときは、その旨を、受審者に告知するとともに、地方代表団体の長に通知しなければならない。

(段位の付与基準)

第13条

段位の付与基準は、規則第15条に定めるほか、実施要領によるものとする。

(地方代表団体の審査)

第14条

規則第16条の審査は、規則によるほか、実施要領により行う。

(段位の受審資格)

第15条
  1. 規則第17条第2項第1号に該当する者に係る「特段の事由」とは、当該段位の付与基準に達していると認められるにもかかわらず、国外に居住したなどの事情により、受審することができなかったような場合をいう。
  2. 同号の受審者は、希望する段位を限定して受審するものとし、同時に複数の段位を受審することはできない。
  3. 前項の審査は、受審した段位についてのみ合否を決定するものとする。
  4. 規則第17条第2項第2号の「特に優秀と認められる者」とは、全国規模の大会及び地方代表団体が主催する大会等で抜群の成績を収め、かつ当該段位の付与基準に優に該当すると認められる者をいう。
  5. 規則第17条第2項第1号及び第2号に規定する受審は、当分の間1回限りとすることができるものとする。

(段位審査の方法)

第16条
  1. 段位審査の方法及び実施については、規則第18条に定めるほか、実施要領により行う。
  2. 規則第18条第2項の「筆記試験」は、実施要領により行う。
  3. 規則第18条第4項の「再受審」をすることができる期間は、当該不合格となった審査日から1年以内とし、再受審の回数は、1回限りとする。

(段位審査の特別措置)

第17条
  1. 規則第20条第1項から第3項までの規定の適用については、細則第12条の規定を準用する。
  2. 規則第20条第4項の規定により準用する同条第3項の決定は、地方代表団体の長が行う。
  3. 地方代表団体の長は、前項の決定をしたときは、その旨を受審者に告知するとともに、地方代表団体選考委員会に通知しなければならない。
  4. 地方代表団体の長は、規則第20条第4項の規定により、同条第3項の措置を行ったときは、速やかにその経緯を全剣連の定める様式によって全剣連会長に報告しなければならない。

(級位審査の方法)

第18条

規則第24条第1項の「実技」は、次の各号で定めるところにより行うものとする。

  1. 一級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から9まで」
  2. 二級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から6まで」
  3. 三級 剣道の基本並びに木刀による剣道基本技稽古法「基本1から4まで」

(受審制限等)

第19条

1. 地方代表団体は、個人会員に対し、次の各号に該当する場合のほかは、全剣連への審査の申し込みを受け付けず、又は受審を拒否することができない。

  1. 個人会員としての義務を果たさず、個人会員として不適当な行為をした者。
  2. 心身に障害があり、受審することが本人の安全その他の面において適当でないと認められる者。
  3. 犯罪容疑又は社会的信用を失墜する行為があり、剣道人として相応しくないと認められる者。

2. 前項各号の措置は、地方代表団体の理事会又はこれに準ずる機関の議を経て行うものとする。

3. 全剣連又は地方代表団体の審査実施者は、審査の実施に当たり、次の各号に該当する者に対し、当該受審を差し止めることができる。

  1. 心身の異常又は障害が認められ受審することが適当でないと認められる者。
  2. 世界ドーピング防止機構(WADA)の最新の禁止表に掲載されている禁止物質を使用もしくは所持し、または禁止方法を実施していると認められる者。
  3. 受審に当たり不正を行い、又は行おうとした者。
  4. 審査会場の秩序を乱すような行為をした者。

(情報の提供)

第20条
  1. 規則第25条の「合否等に関する情報」とは、合否等に関する概括的事項をいう。
  2. 同条による情報の提供をする場合には、受審者に限り、当該受審者の合否等に関する事項に限って情報の提供を求めるものとする。

(登録料)

第21条

有段者が規則第17条第2項第1号の規定により受審し、合格した場合の登録料は、規則第26条第2項の規定にかかわらず、受審時の直上段位から合格した段位までの累計した額とする。

(外国人の取扱い)

第22条
  1. 外国人が称号を受審するためには、当該外国人が属する国の団体会長の推薦に基づき、会長の承認を必要とする。
  2. 外国人が教士又は範士の称号を受審するためには、規則に定める錬士又は教士の称号受有者でなければならない。
  3. 外国の段位を有する者が全剣連の段位を受審しようとするときは、第1項の規定を準用する。

(附則)

この細則は、平成24年4月1日から施行する。

実施要領

平成24年4月1日制定・施行

称号審査の方法

1. 錬士の審査

(1)錬士を受審しようとする者の備えるべき要件

  • 剣道実技の修錬を続けている者
  • 剣道の指導的立場にある者として、社会的識見に富み、健全な社会生活を営む者
  • 地方代表団体が行う講習を受け、錬士として必要とされる、日本剣道形・審判法・指導法等の知識、実技について能力の認定を受けていること(全剣連が指定する講習を受講し、終了の認定を受けた者、又は全剣連が行う社会体育指導者資格中級の認定を受けた者は、上記3の認定の全部又は一部を受けたものとみなす。)

(2)錬士を受審しようとする者は、別に定める申請書(自筆)に全剣連が出題する小論文(自筆)を添え、地方代表団体に提出する。

(3)地方代表団体の長は、上記(1)の要件に該当すると認めた受審者について、推薦書に申請書と小論文を付して会長に候補者として推薦する。

(4)会長は、審査員を委嘱し、候補者の小論文を採点のうえ、審査会に付議して合否を決定する。

(5)規則第11条第2項による錬士の受審者に対しても、上記の要領により審査を行う。

(6)審査は、通常年2回実施する。

2. 教士の審査

(1)教士を受審しようとする者の備えるべき要件

  • 剣道実技の修錬を続けている者
  • 錬士以下を指導する立場にある者として、社会的識見に富み、健全な社会生活を営む者
  • 全剣連又は地方代表団体が行う講習を受け、教士として必要とされる、日本剣道形・審判法・指導法等の知識、実技について能力の認定を受け、かつ、剣道の指導及び審判の経験を有する者(全剣連が指定する講習を受講し、終了の認定を受けた者、又は、全剣連が行う社会体育指導者資格上級の認定を受けた者は、上記3の認定の全部又は一部を受けたものとみなす。)

(2)教士を受審しようとする者は、別に定める申請書(自筆)を地方代表団体加盟団体に提出する。

(3)地方代表団体の会長は、上記(1)の要件に該当すると認めた受審者について、推薦書に申請書を付して、会長に候補者として推薦する。

(4)会長は審査員を委嘱し、候補者に対し次の3科目群の筆記試験を行い、試験結果を地方代表団体の長からの推薦書とともに審査会に提出し合否を決定する。

  • 日本剣道形・審判法
  • 指導法・剣道に関する一般教養
  • 小論文

(5)筆記試験の3科目群のうち1科目群不合格者は、その科目群を再受審することができる。

(6)再受審の受審期間は、不合格となった当該審査日から1年以内とし、回数は1回限りとする。

(7)審査は通常年2回実施する。

3. 範士の審査

(1)地方代表団体の長は、教士八段受有者で、八段受有後8年以上経過し、規則第10条第3号に定める付与基準に該当すると認めた受審者について、推薦書を提出し、会長に候補者として推薦する。

(2)全剣連は、規則第11条第1項第3号の受審資格を備えた受審者について、候補者名簿を作成する。

(3)全剣連は、候補者名簿に記載された受審者についての予備調査を実施し、調査結果を審査会に提出する。予備調査は、下記の事項について行う。

  • 剣道人として実践してきた実績
  • 指導者としての実績
  • 論文、講演録などの専門的業績
  • 人物、識見、剣理に対する評価
  • 剣道及びその他、武道修業全般に関すること

(4)会長は、予備調査に関し、必要と思われる範囲において、審査員、地方代表団体の長以外の第三者に評価意見を求めることができる。

(5)審査は、通常年1回実施する。

段位審査の方法

1. 五段以下の実技審査

五段以下の実技審査は、規則第15条に定める付与基準に基づくほか、特に下記の項目を着眼点として、当該段位相当の実力があるか否かを審査する。ただし、審査の方法は、地方代表団体の実情に応じて、それぞれが定める実施要領により行う。

(1) 初段から三段まで

  • 正しい着装と礼法
  • 適正な姿勢
  • 基本に則した打突
  • 充実した気勢

(2) 四段及び五段

初段から三段までの着眼点に下記の項目を加えたもの

  • 応用技の錬熟度
  • 鍛錬度
  • 勝負の歩合

2. 六段から八段までの実技審査

六段から八段までの実技審査は、初段から五段までの着眼点に加え、下記の項目について、更に高度な技倆を総合的に判断し、当該段位相当の実力があるか否かを審査する。

  • 理合
  • 風格・品位

3. 形審査における日本剣道形の実施本数

形審査における日本剣道形の実施本数は、次のとおりとする。ただし、初段及び二段については、実施本数のみを指定しており、当該形審査の対象とする具体的な太刀の形は地方代表団体が選定するものとする。

受審段位 日本剣道形の審査本数
初段 太刀の形3本
二段 太刀の形5本
三段 太刀の形7本
四段 太刀の形7本と小太刀の形3本
五段 太刀の形7本と小太刀の形3本
六段から八段まで 太刀の形7本と小太刀の形3本

4. 五段以下の学科審査

五段以下の学科審査は、当分の間、地方代表団体の定めた方法によって行う。ただし、社会体育指導者資格初級の認定を受けた者については、五段の学科審査を免除するものとする。

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