第8回 全日本都道府県対抗女子剣道優勝大会

8th All Japan Interprefecture Ladies KENDO Championship

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大会のみどころ

女子の総力戦 岐阜の連覇なるか

本大会は、女子剣道の隆盛に鑑み平成21年から、旧来の全国家庭婦人剣道大会を標記の大会に改編したもので、今年で8回目を数える。

試合は、各都道府県剣連から年齢各層の代表者によって戦われ、春に大阪で行われる全日本都道府県対抗剣道優勝大会が男子の総力戦とするならば、本大会は都道府県あげての〝女子の総力戦〟と位置づけられる。

選手は、[大会要項抜粋]の[出場選手資格および選出方法]に記された5名で構成される。選手・監督名は[出場選手・監督一覧]を参照のこと。

本大会は、一昨年の第6回大会から審判長、審判主任を除き全員が女性の審判員で審判を行うこととなった。まさに〝女子の、女子による、女子のための〟と銘打つにふさわしい大会に育ち上がったと言えよう。

昨年は、過去6回の大会中、第3・4回と2年連続決勝戦に進出しながらいずれも敗れ2位に甘んじてきた岐阜と、第2回大会に3位入賞したもののその後は低迷、第5・6回大会と3回戦で敗退してきた長崎が苦戦を強いられながらも決勝戦に勝ち上がる。どちらが勝っても初優勝となる一戦は、1勝1敗2引分けの同点で大将戦へともつれ込み、荻田が面の一本勝ちを収め岐阜に初優勝をもたらした。

優勝チームの甲木幸枝監督は、「優勝できるとは思っていませんでした。あまり練習もできず、状態が良いとは言えなかったのですが、今日は先鋒の調子が良かったのに加え、選手全員が頑張ってくれて、段々と勢いに乗れました」と選手の活躍を讃えた。

さて、本年の戦況はいかに。

第1ブロック

まず、第1回と第6回大会の2回優勝を果たした新潟、次には第4回大会で優勝しその後の第6回大会では新潟との決勝で2位に泣いた茨城がおり、この強者が初戦で顔を合わす。新潟は渡邊・荒川・町田の後3人が充実し、最多3度目の優勝を狙う。一方の茨城は、連続出場の石濱・落合に加え船橋が復帰、まず初戦の新潟に照準を合わせる。

その下にいるのは第2回大会優勝の福岡で、昨年は2位の長崎に4回戦で敗れ8強にとどまるが、先陣の村田・大西(な)が原動力となり、いかに後につなげるか。また大将の大西(め)と次鋒の大西とは実の母子、チーム一丸の連携プレイに期待が高まる。

次には実力を内に秘める熊本だが、本大会においては未だ入賞はない。過去7大会とも一歩二歩手前で力尽き敗退、今ひとつ歯切れの悪さが付きまとう。今年は第42回全日本女子剣道選手権大会(以下「選手権」)覇者の緒方を軸としての蒔き直しに期待したい。

北海道は、これまた実力を有しながらも8強の壁に泣くが、今年は中堅の寳金を要に昨年の副将北本が大将に席次を上げ上位進出にかける。

また昨年3位の広島は、大将の山田のみ残し先鋒から副将まで入れ替わり新しい陣容で臨む。

大都大阪は、この大会に限って不思議と優勝に縁がなく、過去の入賞は第3回大会で3位に上がったのみ。今年は、豊丸・近藤・石田の府警三人組の頑張りで優勝戦線への参入に期待がかかる。

小県ながら地道な活躍を続ける徳島は、平野・近藤の常連選手を軸に大将には北村が復帰しチームの結束を固める。

第2ブロック

京都は、第6回大会で3位に入賞したものの続かず、昨年は1回戦で東京に敗れる。豊田監督と長澤は4年、橋本は5年連続で出場とキャリアを積み、また第13回世界剣道選手権大会(13WKC)個人優勝の杉本が加わりレベルアップ、前2人の出来しだいで上位も狙える。

愛知も大県ながら今まで8強の壁を越えられず苦慮の中にある。今回は強者迫を残す以外は全ての選手が入れ替わり、心機一転して挑む。その相手となる栃木は、第5回大会で3位入賞なるが続く2大会はいずれも2回戦敗退、鈴木・磯の連続出場組に期待がかかる。

岡山は、第1回・2回大会連続2位の好成績でスタートを切ったがその後は不振が続く。今年は、選手権2回優勝はじめWKCなど数多くの実績をおさめた小津野を中心に、大学生の髙馬が前を忠政が後をかため入賞圏入りをめざす。一方の宮崎も、今大会ではさしたる戦功はないものの、いま当たり盛りの福川、選手権やWKCなどで名を馳せた興梠、大将には新たに資格を得た増田を起用し、いかに上昇の流れをつかむか。

次に地元東京だが、これも第1回大会で3位に入賞したのみ、その後上位進出はない。今回は、昨年に引き続き和栗を次鋒に起用するほか、実力者の小又そして副将鈴木、大将荻津と教士七段を据え、堂々の陣を張って名誉挽回にかける。

愛媛は、伸び盛りの冨永を先陣に松木・三木で後をかため、まず1回戦突破をめざす。対する昨年2位の長崎は、山﨑・平石それに選手権やWKCなどで数々の実績を残す福田と中3人が引き続き名を連ね、意気軒昂。

第3ブロック

佐賀は、第3回大会で優勝するもその後は3回戦以上の成績を上げていない。優勝時に次鋒で活躍した西が昨年から中堅で復帰、再び優勝戦線へ名乗りを上げたいところ。

千葉―山口だが、両県ともこのところ精彩を欠き過去2年は初戦敗退に終わっている。千葉は、鈴木が今年大学を出て警察に奉職し中堅へ、次鋒には新たに染谷が、また大将には千葉が5年ぶりに返り咲き捲土重来を期する。山口は、昨年のメンバーを総入れ替えして臨み、往年の名選手宮川と新たに年齢資格を得て家入が副将に藤井が大将に加わり若返りを図る。

昨年優勝した岐阜は、第3回・4回大会で準優勝など満遍なく実力を発揮している。優勝した昨年のチームから先鋒を除く、甲木監督以下、二宮・竹村・岡安それに昨年大将決戦で優勝を決めた荻田の4選手が留まり連覇にかける。

実力を有する神奈川は、第4回大会で3位、第5回大会で2位などコンスタントに優勝戦線に浮上するが未だ優勝旗を手にするに至っていない。16WKC個人・団体に加え昨年の選手権を制した松本を中心に、田中・黒澤がおさえを利かせ一気に上り詰めたいところ。

また兵庫は、第4回大会で3位に入賞するが、その後は8強の壁が立ち塞がり上位進出がおぼつかない。津田・村山・尾﨑の県警三選手が実力を発揮し突破口を開きたいところ。

第4ブロック

静岡は、今まで上位への進出はないが、かつて選手権やWKCで活躍した内田を中心に一花咲かせたいところ。

このブロック一番の見ものは埼玉―大分である。埼玉は、第5回大会に優勝したほか過去に3位3回を誇る。一方の大分は第6回大会での第3位入賞を今までの最高とするが、選手個々の実力は伯仲。この一戦を制した方がこのブロックを駆け上がる公算大。

福島は、第2回大会以来ずっと大将を張り続けている佐藤(さ)がいるが、次鋒の佐藤(み)とは母子である。今大会には幾組かの母子同一チームの出場が見られるが、「親の背を見て子は育つ」その典型と、自然と応援に力がこもる。

群馬は昨年8まで上るが、時の監督根岸が大将へ返り咲くのをはじめ選手5名総入れ替えで本大会に臨む。

青森は昨年の次鋒を除く、先鋒小松から相馬・坪田・太田まで不動のメンバーで、一方の香川は昨年の次鋒竹内と副将谷本が留まり、大将の立川が監督に上がり采配をふるう。実力は互角と見るが両者とも本大会では3回戦の壁を越えるのが悲願。

鹿児島は、WKCや教職員で活躍の下川が中堅から副将へ上がりチームの主軸となるほか鶴窪が一昨年、昨年に続き大将を張る。

また奈良は、副将堀尾、大将中夲そして監督の松田と、教士の称号を有する女性七段が居並び、実力に加えてチームの品位風格の高さがうかがえる。

などなど。女子剣道の世界は母川回帰的な傾向が強く、いち早く「地方の時代」が到来した感があり、どこが勝っても不思議でない、という今日の活況を呈している。また、それだけに勝者の予測が困難となっていることも確か。はたして優勝の行方は。

剣窓編集委員 真砂 威

7th All Japan Interprefecture Ladies Kendo Championship_228上記写真:前年度 第7回大会優勝 岐阜県チーム


審 判 長

 遠 藤 勝 雄(宮 城)

審判主任

 岩 堀   透(大 阪) ・ 下 島 貴代一(岐 阜)
 西 川 清 紀(東 京) ・ 笠 村 浩 二(神奈川)

審 判 員

 大 石 純 子(茨 城) ・ 藤 﨑 金 子(茨 城)
 今 濵 由美子(埼 玉) ・ 荒 川 富美恵(東 京)
 小野寺 枝 美(東 京) ・ 龍 澤 明 美(東 京)
 古 谷 崇 子(東 京) ・ 鈴 木 久美子(神奈川)
 冨 田 紀代子(神奈川) ・ 内 野 葉 子(新 潟)
 道 内 由佳里(福 井) ・ 二 木 むつみ(長 野)
 土 屋 昌 代(静 岡) ・ 東   由美子(愛 知)
 冨 多 ちはり(岐 阜) ・ 田 中 百合香(京 都)
 石 田 葉 子(大 阪) ・ 西 田 康 子(大 阪)
 今 村 智香子(和歌山) ・ 川 原 清 美(兵 庫)
 永 沼 真 紀(福 岡) ・ 藤 田 弘 美(福 岡)
 渕 田 貴 美(熊 本) ・ 田 島 悦 子(鹿児島)

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