アンチ・ドーピング委員会コラム_11

FIK(国際剣道連盟)アンチ・ドーピング規程変更の要点について

2015年1月1日から世界アンチ・ドーピング機構(WADA)アンチ・ド―ピング規程が改訂され、これに伴い、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)アンチ・ドーピング規程およびFIKアンチ・ドーピング規程が改訂されました。以下に、変更の要点を述べます。

  1. 意図的な違反の際の標準制裁期間がこれまでの2年から4年となりました。つまり、違反が意図的なものだと認められた時には、原則として4年間の出場停止となります。

  2. 一度違反を犯した際の時効がこれまでの8年から10年となりました。つまり、一度違反すると10年間記録が残り、この間に再度違反するとさらに厳しい制裁を受ける可能性があります。

  3. 実際に自ら違反を行わなくても、違反を援助、支援、隠し、企てることも違反とみなされ、制裁を受けることとなります。つまり、選手のみならずトレーナーや支援スタッフも制裁の対象となります。

  4. 一度違反した人を、支援スタッフとして雇用するなどして関係を持つことも禁止されています。

  5. 18歳以下は未成年とされ、万が一、禁止薬物の体内残存が証明された際に、それが間違って入ってきたのか(知らずに禁止薬物を服用したのか)証明する必要はありません(この部分は、縛りが以前より少し軽くなっています)。

  6. 選手が治療目的のために禁止薬物や禁止方法を使わざるを得ない場合には、TUE(治療目的使用に係わる除外措置)という書類を提出することが義務付けられていますが、今後はこのTUEは国内では「治療使用特例」と名前が変わります。ただし、TUEを許可する基準や申請手続きは変わりません。国内試合で出したTUEは、国際試合でも審査の上、認められる可能性があります(異なる機関でのTUEの相互承認)。詳しくはJADAホームページのTUEの項目を見てください。

アンチ・ドーピング委員会 委員長 宮坂 昌之

この記事は、月刊「剣窓」2015年6月号の記事を再掲載しています。

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