アンチ・ドーピング委員会コラム_05

医薬品やサプリメントなど健康食品を使う上で、気をつけなければならないものに、海外で流通している製品を入手・使用する場合があります。日本では未だほとんどありませんが、近年流通過程で外箱を残して中身が入れ替えられていたり、いわゆる偽薬と呼ばれるものも販売されていたりするケースが見受けられます。こういったものは非常に危険です。

国内で販売される医薬品の場合は全て国の承認を受けており、承認を受けた形態で販売されております。また副作用や不具合などがおきた時には、副作用の救済制度もあり、企業に責任のあるトラブル対応も期待できます。

一方、日本で承認されていない海外の医薬品を使用する場合は、全て基本的に個人の責任になりますが、この場合、健康被害にあっても医療機関で対処法の情報が入手できない可能性があり、購入先に責任ある対応を求める事も困難が予測されます。実際に個人輸入により偽薬を購入し、重大な健康被害にあった例もあるようです。

健康食品においても、日本では法律で販売が禁止されている成分が含まれていたり、医薬品の成分に分類されているものが含まれていたりする例があり、思わぬ副作用に遭う危険があります。

加えて、こういった成分には、ドーピング禁止薬物に該当する物もあります。よく効くからといって安易に利用していると思わぬリスクを負ってしまいますし、他人に勧めたりすることは慎む必要があります。

ネットなどで簡便にいろいろな物を大量に購入できる時代ですが、それだけに、自覚を持って自分を守らなければ危ない時代でもあります。健康を維持することは簡単なことではありませんが、毎日自然のバランスの取れた食事をとる事が一番大切です。

また、万一健康に不安を持った時には、医師、薬剤師に相談をして、確実な医薬品を安心して利用することが重要です。

アンチ・ドーピング委員会委員 亀尾 一弥

この記事は、月刊「剣窓」2014年2月号の記事を再掲載しています。

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