2005年6月号

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今月のまど

京都・大阪での大会・審査会は無事、順調に終了

年間行事の中で最も多くの方が出場、参加される、ゴールデンウィークを中心とした一連の行事を大過なく終えることができ、執行部関係者は肩の荷を下ろした感じでおります。

今年は演武大会の修了日を1日繰り上げ、休日に行事を終えることにより、参加、受審の多くの方が無理なく参加できるようになり、観戦された方にも楽しんで戴けたことと存じます。これらの効果をさらに高めるよう、改善すべき点を見出だして、来年はさらに有意義な行事として発展させたいと存じます。

岡山県が連覇を飾った全日本都道府県対抗剣道優勝大会

前年の大会に彗星のごとく現れ優勝した岡山県チームは、前年のメンバーを主力としての出場で、かなりの確率で連覇が期待されましたが、群馬県との緒戦を大将同士の大接戦の末下した後は、前陣から相手を圧倒、危なげなく優勝の栄冠を勝ち取りました。

昨年と同じく、坪田、稲垣の女性陣の活躍は鮮やかなものがありました。

大阪府を準決勝戦で下し、決勝に進出した静岡県の活躍は見事でしたが、決勝戦では、秋に地元国体を控えた岡山県に一方的に敗れました。随所に好勝負が展開されていた割に、岡山県の活躍ばかりが印象づけられた今大会でした。

次回大会は日程を4月29日の祝日に繰り上げ実施しますが、その後もこの日に定着させる予定です。全国の各剣連が年度最初の行事として当たる大会として歴史を重ねてきたこの大会、今後とも充実したものとして、広く注目されるよう発展させたいものです。

なおこの大会中に負傷者が出て病院に運ばれた方が出ました。奮戦の結果でお気の毒に存じます。

スムーズに日程を終えた全日本剣道演武大会

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明治28年の大日本武徳会発足とともに始められた武道大演武会を、実質的に剣道部門で継承した全日本剣道演武大会、昨年100回の節目の大会を終え、今年は第101回として新たな時代への歴史を刻むことになりました。

 建設後106年の文化財である武徳殿を舞台に繰り広げられる、演武大会が、剣士の錬磨の結果を示し合う錬成の場として、また数多く展開される剣友の出会いの場として、今後とも充実した内容で、この場で回を重ねて行って欲しいものと思います。

5月3日の剣道演武初日には、関係者参列の下、平安神宮の社頭で恒例の武徳祭が行われ、剣道界の安泰と発展、剣道人の健勝、演武大会の無事実行を祈念しました。(写真)

続く武徳殿での開始式には、来賓として京都府知事の祝辞を、京都府猿渡知之総務部長、京都市長の祝辞を草川健治市民スポーツ振興室長から頂戴したほか、このたび京都府剣連会長に就任された衆議院議員伊吹文明氏のご挨拶がありました。

大会の進行は順調に行われ、高度の演武が展開されましたが、例年盛り上がりを見せる最終日は、本年は休日に行われたこともあり、多数の愛好者が固唾をのんで見守る中、八段、範士による素晴らしい立ち会いが展開され幕を閉じました。

215_02.jpg京都の行事の間には多くの会合が持たれますが、全剣連でも、剣道界の長老の相談役との懇談の場を持ちます。(写真は全剣連相談役会にて)

また、剣道用具の作成への関心を高めるための部道具関係者による製作実演が期間中に行われました。


3,000人を超える方々が挑戦された各道の段位審査

演武大会が行われる京都は、各道の高段審査が行われる場でもあります。

今年の剣道の段位審査は、すべて演武大会の前に行われました。剣道六、七段審査会は4月29、30日にそれぞれ西京極の京都市体育館で実施され、六段102名、七段115名が合格されました。合格率はいずれも12%の厳しい結果でしたが、審査は妥当に行われたものと見ています。
先月指摘しましたが、休日に行われた六段審査の受審者が、連休後だった昨年の審査会に比べ約200人増加したことは、日程調整の効果と受け止めます。

難関をもって知られる5月2日の剣道八段審査は、昨年より100人多い1,300人の方々が挑戦されました。全剣連は9会場を設け、万全を期しました。白熱の演武が続いた第一次審査の結果、80名の合格者が発表され、続く第二次審査により夕刻実技合格者が決定、剣道形の審査を経て14名が最終合格となりました。
合格者の最高年齢は62歳で、多数の年配者には門戸が開かれませんでした。一方46歳を下限とする若手にも厳しい一次審査の結果となりましたが、不合格者の中には二次審査で力を試させて見たい人々がかなり見受けられたというのが雛壇の声でした。

さて5月3日には杖道、居合道の八段審査があり、杖道2名、居合道8名の合格者を決定しました。杖道に女性として初めての小塚禮子八段が誕生し話題を呼びました。

段位審査は五月14、15の両日に行われる名古屋での剣道六、七段審査で春の計画を終えますが、厳しい中まずは妥当な結果に終わるものと期待しております。

厳しい基準をクリアしての新範士13名が誕生

称号・段位を通じての最高位である範士審査は年1回京都で行われます。

審査は、規則に定める基準に合致した者として、各剣連会長より推薦された者、また全剣連会長が特に推薦した者について、審査員選考委員会で選考され、全剣連会長によって任命された10名の審査員によって行われます。

今回は各剣連会長より推薦された杖道4名、居合道18名、剣道45名の候補者を対象として、杖道、居合道は5月2日、剣道は5月6日に審査が行われました。

杖道の範士合格者は無く、居合道で1名が合格されました。6日の剣道称号審査会では、慎重な審査が行われた結果12名の新範士が誕生しました。これは新制度になってから最大の数ですが、年功序列に捉われることなく、適切な審査が行われたものと受け止めています。

特に60歳代前半の方々が主力を占め、地域的にも偏りが無かったのが特色で、全国の適格者を落とさず拾い上げた結果になったのは何よりでした。ここでも年輩の候補者にはお気の毒な結果になりましたが、範士審査において新規則による考え方が定着してきたことを感じます。合格された方々は剣道界の期待に応え、一層の精進を重ねられ、剣道発展への役割を果して戴くようお願いします。

京都での行事を終えて

組み合わせの作成、大会の進行など地元関係者の手際よい運営とご尽力に謝意を表するものです。

また審査会でも多くの熟練した運営の経験と技術の蓄積があってはじめてスムーズな進行が可能になります。全剣連の持つIT駆使の技法により、効率的に進行できたことを痛感します。京都府剣連の方々の働きと共に、ここに謝意を表します。

国際剣連のGAISF加盟問題

剣道の国際団体である国際剣道連盟(IKF)が、国際競技団体連合(GAISF)への加盟を申請しました。

このためベルリンで開催された総会に出席し説明しましたが、結果的に規定の賛成票を得られず実現しませんでした。経緯は31頁の「国際コラム」に記されていますのでご覧下さい。

ベルリンではSPORTS ACCORD(スポーツ団体総集合)という集会が、数日にわたって盛大に開かれ、国際オリンピック委員会の総会も含まれます。

加盟を申請した動機は、IKF加盟の欧州の国々の強い希望があり、この団体に加盟することにより国内で剣道が市民権を得る形になり、公的助成を得られるとの事が第一の理由です。

つぎに世界には加盟を狙う怪しげな武道団体もあり、先に入られたりすると支障が起る。つまり席を確保しておくことが望まれる状況に対応したものです。加盟団体にはオリンピック参加を狙う団体が多いのですが、もちろん剣道はこれを狙って加盟を考えた訳でなく、団体から運営の規制を受けることが無いのを確認して、IKF理事会で決定したものです。

情勢不案内なところがあり、今回は予想外の結果でしたが、改めて状況を調査、把握して対応することになります。

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