2005年10月号

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今月のまど

ようやく涼しい風が吹く季節です。夏の間行事に追いまくられていた剣道界は、台風の襲来を気にしながらも仕事にじっくりと取り組む時期を迎えました。

このひと月を振り返ると、大会、講習、審査などの多くの例年の行事の中、異彩を放ったのは何といっても『愛知万博』で8月31日に行われた「剣道フェスティバル」でした。
剣道の紹介事業としては、剣道界でも初めて本格的に取り組み実行されたものです。
今月の『剣窓』もこの記事を特集として取り上げました。

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出し物としても自信作の「剣道フェスティバル」

万全の態勢で当日を迎えた関係者は、午前のリハーサルを終えて本番開始を待ちました。11時の開場と共に会場は埋まります。口火を切ったのは、勇壮な地元の「松平わ太鼓」、続いて「剣道ミュージック」の表彰の後、本番に入りました。少年剣士で始まる第1部「稽古・鍛錬」、そして剣道ミュージック『剣士のパヴァーヌ』を導入曲とする第2部「形の真髄と美」、第3部「国際親善紅白試合」と続き、第4部「剣道いまから」に進みますが、この間映写される剣道アニメ『鳥獣剣士』3部作は独特の彩りを加えました。

総稽古を終えてフィナーレとなり、3時間余のプログラムを閉じました。万博ドームで展開される諸行事の何れにも見劣りするところのないもので、観客にも感銘を与えたものと自負しています。

多くの人の協力と努力で達成されたフェスティバルの成功

剣道フェスティバルを振り返ると、まずは多方面の人の協力のもとで成り立ったことが挙げられます。企画から実行に至る間を通じ、剣道界の人々の尽力を戴いたことはもちろんですが、今回は外部の広範囲にわたる専門の方々の協力により実行されました。

これまでの『剣窓』の記事を通じてご承知戴けるように、企画に織り込まれた剣道ミュージックの募集、選考、演奏録音があり、途中で登場するアニメ、ポスターの作成、参加者に配られる記念手拭い、記念品の「鹿角の鍔」を模したメダル、また配付されるプログラムのデザインなどのほか、展開される内容、実行に当たっての演出、舞台での司会進行、また舞台裏での進行管理、指揮に当られた方、などなど通常の剣道界の行事では見られない分野の専門家の協力も得て、多くの知見を盛り込み実行されました。

本誌、裏表紙にプログラムの表紙が披露されています。これまでの剣道行事で作られていたものより垢抜けしていることにお気付きでしょう。このプログラムは行事の説明のほか、登場する参加者250名の氏名や写真を織り込んでおり、出場者、来場者用だけでなく、事業の報告用にも使うよう用意しました。関心をお持ちの向きは事務局にご請求下さい。

素晴らしい演武を示された剣士たち

つぎにプログラムに従い出演、演武された多くの方のご尽力を得ました。地元愛知県の少年剣士に始まり、外国人の諸剣士、7名の歴代全日本剣道選手権者の方々、中京大学、中京女子大学、大阪体育大学、学習院大学の剣道部学生各位、家庭婦人の方、古流や薙刀などを含めた形を披露された方々、指導、審判にあたられた諸氏であり、何回かのリハーサルを経て、老若男女総動員といえる立派な演武を通じ剣道の真価を示されました。

実行を支え計画を援助された方々

さて、この行事参加の発想以来尽力された実行委員の方、実行面の裏方としては愛知県剣連の方々に終始行事を支えられました。以上実施面を含めお骨折りを戴いたすべての方々にこの場を借りて厚くお礼を申し上げます。

ところで、この行事に掛かった費用面を見ます。この行事は当初から手作り、手弁当を中心として計画し実行され、多くの方にボランティアとして活動して貰い、決算には至っておりませんが、本年度予算に計上した支出金額を多少上回ることで収まる見通しです。

そしてこの行事に対して、トヨタ自動車、NTT西日本より大口の寄付を戴いたほか、(財)車両競技公益資金記念財団より補助金を、更に何名かの個人から貴重な寄付を戴いております。ここに厚くお礼申し上げます。

このほかご後援願った報道関係などの機関、実行に当たってご理解ご支援を戴いた多くの方に重ねてお礼申し上げます。

剣道フェスティバルを終えて残されたものは

さて、このフェスティバルは、今後いつ日本で開かれるか分からない万博という国家的行事の場で、剣道に関心の少ない内外の一般の方にも、剣道の良さを理解して貰おうとすることを意図して計画し、実行されました。

そして剣道のもつ奥深さ、厳しさとともにある楽しさを表現し、訴える演出により、意図したところをかなり達成できたと思います。

今回の行事は今後ますます必要になる剣道の一般へのPRを行うに当たっての実験としても価値あるものであり、行事実行を通じて得た経験は、この間得られた自信とともに剣道界に残され、今後活用されるに違いありません。

また、この行事の記録は周到に整備されることが必要ですが、当日の参加者、観客のためだけでなく、資料として後世に残される剣道界の貴重な資産になることを確信します。

開催場所を移しての全日本女子選手権大会

万博行事が終わるとすぐに、例年のスケジュールに従っての9月初頭の第44回全日本女子剣道選手権大会を迎えました。過去10年名古屋市で開催されていた大会が、今年から静岡県に移り、藤枝市の静岡県武道館での開催となりました。

女子選手権大会の出場資格は、男子の大会より年齢が低く、18歳以上となっています。選手の職業でも学生、警察官、教員がほぼ拮抗し、高校生も4名を数えます。最低年齢18歳、最高は33歳、平均は25歳ということです。

さて試合が始まりましたが、さすがに引っ付き合う試合はなく、まともな試合が続きますが、久し振りで見るせいか小粒な試合の連続の印象が抜けません。しかし回が進むとともに緊迫した試合が多くなり、ホッとした感を受けました。

準決勝戦、最年長に近い12回出場の村山(埼玉)と若手宮川(茨城)、2年前優勝の緒方(熊本)と地元初出場の恩田の対戦となりました。ベテランに対して動いて攻めまくる学生剣士という対称的な試合を展開しましたが、さすがに両ベテランが若手を下し決勝での対戦となりました。

今回は長身を生かしての面の威力で勝ち進んだ村山が、決勝でも面を決めて緒方を下し、12回目での初優勝を遂げ、皇后盃を獲得しました。途中、内容的に少し心配だった前半の試合ぶりでしたが、両ベテランの活躍で有終の美を飾りました。

会場となった静岡県武道館、施設は申し分のない重厚な雰囲気のもと進められ、観客の数もまずまず、主管の静岡県剣連にご尽力頂き、気持ちのよい大会として幕を閉じました。

夏の剣道六、七段審査会、水不足の高松市で実施

夏の剣道審査会では、前に六段審査を行ったことはあっても、高松市で六、七段を併せて行うのははじめてとのこと。

香川県剣連の皆さん大変意気込んで準備万端整えて戴いておりました。水不足は最悪の段階にはなっておらず、特に支障あるほどではありません。

各地から高松市総合体育館に集まった七段審査の受審者は760名、会場は落ち着いた申し分のない環境ですが、若手から立ち会いに何か張りが足りなくて低調な印象を受けました。

合格率が8%台にとどまったのは、実勢を反映したものと感じました。

待たれる東西対抗剣道大会の立ち会い

第51回全日本東西対抗剣道大会は、9月25日鹿児島市鹿児島アリーナで開催されます。試合の人数、構成などは例年と変わりはありませんが、今回試合方法で変わったところがあります。

それは男子35名の対戦は時間制限を無くし、すべて三本勝負で、二本を取るまで試合を行って決着を付けることです。この趣旨は前にも記したことがありますが、各自一回だけの試合なので、これを一本勝負で終わらせず、双方心置きなく試合をして実力を発揮して貰うためです。白熱した試合が展開されることを期待しています。

剣道五段以下の審査実態調査の中間的所見を剣連に通知

昨年来各剣連に委任している剣道五段以下の審査の実態調査を行って来ましたが、その結果の中間的取りまとめを行いました。それぞれ苦心して立派な審査を行っておられますが、全剣連として気の付いた点をお知らせして、各剣連が改善を図るに当たり、参考にして貰うため各剣連に文書を近々差し上げることにしました。

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