2013年2月号

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もくじ

  • 剣筆 私と剣道/小野田 寛郎
  • 都道府県別新登録者(初段取得者)数一覧表
  • まど・307回/武安 義光
  • 剣道・居合道・杖道「教士」称号筆記試験問題の掲載および解説/大矢 稔
  • 剣道七・六段(愛知・東京)審査会分析データ
  • 全剣連設立60周年記念 第11回剣道文化講演会抄録『たおやめぶり』/山折 哲雄
  • 平成24年度第3回男子強化訓練講習会・平成24年度第2回女子強化訓練講習会
  • 『静岡県剣術資料報告』の発行について/杉江 正敏
  • 第27回剣道講師要員(試合・審判)研修会・第四期第5回剣道選抜特別訓練講習会
  • 社会体育指導員(第38回中級・第59回初級更新・第35回中級更新)養成講習会
  • 全剣連後援剣道講習会・全剣連講師派遣事業・全国剣道指導者講習会
  • 寄稿・ろう剣士の剣道交流/古山 良多
  • 国際関係コラム・121回
  • 第1回ラテンアメリカ剣道講習会/古川 和男
  • 随筆 第1回長崎県杖道大会を開催して/橋本 幸一
  • 『剣士のためのアンチ・ドーピングマニュアル』作制について/宮坂 昌之
  • 平成25年鏡開き・武道始め
  • 海外渡航中の審査について留意すべきこと/佐藤 征夫・真砂 威
  • 剣道範士 故鬼倉國次先生をお偲びして/伊藤 元明

今月のまど

年明けの行事も一段落して、寒稽古の時期になりました。年度末や期末を控えて、早速忙しくしておられる方も多いことでしょう。全剣連も先ずは残る60周年記念行事に取り組んでいますが、例年通り次年度の事業計画の立案時期に入っています。

昨年暮れの先月号以後の国内の大きな動きは、申し上げるまでもなく、総選挙の結果による政変であり、大勝した自民党と公明党の連立による、2度目の安倍晋三内閣が誕生したことでしょう。民主党による政治が、長期方策による国力の増強の視点に乏しく、バラマキによる人気取りに走りがちでした。経済政策では、成長によりパイを大きくしていくより、分配を重視する体質だったと見ます。外交面での沖縄の基地問題への対応に見られるように、日米関係の緊密化から逆方向に進めるなど、失政を演じました。この間、東日本大震災が起こるという不運がありましたが、その対応での不手際も加わり、自民党の不人気に乗じて獲得した、3年前の総選挙での議席を3分の1にする惨敗を喫して政権の座から退きました。

一方、予想を上回る成果を収めて返り咲いた自民党ですが、夏の参議院選挙で成果を収めなければ、国会のねじれ現象が続きますから、慎重な政治の運営に取り組んで行くことでしょう。

年頭の新聞論調に見る

そこで例年のように元日の社説を見ますが、当面する政治・経済への具体的対応を主張するものと、長期的・抽象的な視点を強調するものに、3社ずつ分かれています。年頭の頭の体操効果も期待して、後者から取り上げます。

まず『朝日』は、成長指向を戒め、「ポスト成長」を掲げた昨年の論調を進める形で、「混迷の時代の年頭に、『日本を考える』を考える」という一癖ある標題で「日本」が溢れていた年末の選挙戦を取り上げ、経済の面でもグローバル化が進んでいる世界情勢の中、ナショナリズムを盛り上げる動きに対し、警鐘を発しています。つまり「経済成長にしても、海外の景気頼み」、雇用を作るのは、「日本の企業や政府だけでは限界があり」、国内的にも地方自治の拡大が必要と説きます。

そして「国家としての『日本』を相対化する視点を欠いたままでは日本という社会の将来は見えてこない」と結んでいます。施策の検討にあたり、頭に入れておいてよい見解でしょう。

「骨太の互恵精神育てよ」と述べるのが『毎日』です。成長政策を前面に打ち出している安倍政権の政策に対して、歴代政権が長年何もしなかったわけでなく、類似政策を積み重ねてきた結果が1千兆円にも上る借金財政を生んだという事実として指摘します。成長できない背景としての、人口の高齢化、新興国の台頭、資源・エネルギーの環境制約を取り上げ、こういった構造的要因に、安倍政権は手を着けて欲しいと要望します。

特に高齢化社会の限られたパイの中で、豊かな高齢者層から、雇用も所得も不安定な若年者層へのより明確な所得移転が必要になるのであり、このための互恵精神を説きます。

また互恵の精神は国と国との関係にも応用できるとします。当面の課題である日中関係の尖閣諸島の問題も、「戦後67年間一度も戦争をしないでこられた日本の平和力を点検し、どうすれば最悪の事態を回避できるか、国民的議論が必要だ」と歯切れの悪い結びをしています。

そして「パイの配分と平和の継続。時代は互譲の裏付けのある骨太の互恵精神が求められている」とあくまで主張します。

東京』は「人間中心主義を貫く」と唱えます。過去の主張に対し、「いざなみ景気は、ワーキングプアを急増させた。経済は大企業や富裕層のものだった」とします。「経済は人間のためのもの。当たり前の願いが叶わぬ国や社会に未来があるはずはありません」として、「人間中心主義を訴え続ける」とします。

また石橋湛山氏の戦前の主張として有名な「非武装、非侵略の精神」は、憲法9条の戦争放棄に引き継がれており、「簡単には変えられません」と結んでいます。

さて以上の精神論の強い各紙に対し、他の3紙はかなり具体論に踏み込んでおります。「日本の国の力がどんどん落ちている」、「衆議院選で自民党が大勝したものの、夏の参議院選まで衆参ねじれの状況は変わらない。手をこまねいていてはこの国に明日はない」との現状認識を冒頭に掲げるのは『日経』です。

戦後を顧みると「だれもが等しく豊かで自由な社会を作るという共通の目標があった」。そしてその目標は達成された。しかしその後の停滞した経済を立て直す目標として投資立国を勧めています。

さらに国家の目指すべき方向の1つとして「科学技術イノベーション立国」を勧めています。個人的には我が意を得たりという所ですが、スペースの関係で、内容は省かせてもらいます。

「大きな国家戦略のもと新たな価値を創造する力を磨いて行けば明るい明日は必ずやってくると信じたい」。と述べ、吉田 茂元首相の言葉「日本国民よ、自信を持て」で結んでいます。

産経』は新年を「日本再生の元年にしたい。その槌音は聞こえている」と美文調でスタートし、憲法の解釈から「国の守りに大穴が開いていることは顧みられなかった」と叫び、憲法改正への動きを説きます。そして外交面では、日米同盟を堅固にして抑止力を強め、中国の圧力を跳ね返すため、心を一にすべきとします。

読売』は安倍政権の使命は、「政治の安定によって国力を維持、向上させることにある」として、まず参議院選で勝って、衆参のねじれ国会を解消することであり、節度ある政権運営を行なうべきとします。そして幾つかの課題への注文を述べます。

その中で安定した、電力確保のための「原子力を含む電源のベストな組み合わせを早急に検討すべき」とします。そして世界で有数の技術力を持つ必要があるとするほか、原発政策は日米同盟を軸とする防衛力にも影響を与えると強調します。

さらに懸案となっているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)問題に言及し、その交渉への参加を表明すべきとします。

そして最後に「国力を取り戻すための政策課題を着実にこなすことで政治への信頼を徐々に取り戻せよう。今年を日本が足元を固め、反転攻勢をかける年としたい」と結んでいます。

来年度事業計画の策定作業進む

さて通常の話題に移ります。4月からの新年度を控えて事業計画の策定のための検討が、それぞれの専門委員会を中心として進められてきました。

60周年の本年度の後、いわばポスト60年の初年です。行事としては平年に戻って、例年の行事をそれぞれ内容濃く展開していくことを目指します。例えば普及委員会では、講習会の内容の適切化・向上のためのアンケート調査を講習生に対して行い始めており、成果が期待されています。また称号・段位委員会では審査の基幹となる、各審査員の配点の、全体の審査結果における位置付けを試験的に本人に知らせるなどして、審査内容の改善に役立たせてもらっています。こうして把握・評価が難しい業務内容の向上への努力が始まっており、これらを通じて今後効果の上がる方法が見出されることを期待しています。

さて国際関係ではいくつかの動きがあります。すでに決定されている2年後の第16回世界剣道選手権大会の準備は加速させますが、オリンピック委員会のもう1つの国際スポーツ団体である、スポーツアコードによって行なわれる、格闘技の世界大会というべき、第2回コンバットゲームズという世界武術大会が、10月にロシアのサンクトペテルブルグで開催され、国際剣連として、一昨年の北京大会と同じく、国際剣連の立場で大会を運営するとともに、全剣連として選手団も派遣します。

1月16日(水)には常任理事会を開催、事業計画の大筋を固めました。本年の事業の推進に努力頂いた常任理事会メンバーの当日の記念撮影を掲げておきます。

全剣連常任理事会より(前列中央が筆者)

全剣連常任理事会より(前列中央が筆者)

「鏡開き式・武道始め」が日本武道館で開催される

1月14日(祝)に恒例の行事として行われました。この際、日本武道協議会による武道功労者の表彰が行われました。剣道部門では、個人として全剣連副会長松永政美氏、団体としては中学校における武道必修化に対応するため、いち早く『剣道授業の展開』を編集、さらにDVDまで作成し、本年度より始まった授業の実施に貢献した、「剣道授業事例集作成部会」(代表・佐藤義則常任理事)が表彰されました。いずれも全剣連の推薦によるものです。

会 長 武安 義光

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